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“支援したい“という声をつなぐ-withコロナKOBE応援プラットフォーム

 コロナ禍の神戸で、“困っている人”と“助けたい人”を繋ぐための取り組み「withコロナKOBE応援プラットフォーム」が先月より始動した。当プロジェクト最大の特徴は「支援して欲しい」という声ではなく神戸市民の「支援したい」という気持ちに寄り添っていること。25年前に震災を経験した街、神戸で今人の役に立ちたいという人たちの声が形になろうとしている。


経緯=神戸市民の「助けたい」の声
 

 withコロナKOBE応援プラットフォーム(以下プラットフォーム)は神戸市の企画調整局が主導する事業である。発端となったのはコロナ禍。緊急事態宣言が発令された5月頃、市民から「神戸で困っている人のために何かしたい」という声があがっていた。これを受け今年8月からプラットフォームが始動した。
「この時集まった市民の声は『助けて欲しい』というものだけでなく、『誰かを助けたい』という声も多かったそうです」、そう語るのは神戸市の委託事業として運営事務局を担当する盛島綾乃さん。当インタビューでは盛島さんに事業の取り組みや今後について伺っていく。

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withコロナKOBE応援プラットフォーム運営事務局の盛島さん



具体的活動―事例:お寺のお供え物を子どもたちに繋げる

 市民の「助けたい」という声を受け今年8月設立された“withコロナKOBE応援プラットフォーム”。
具体的な事業の流れとしては

①人の役に立ちたい、自分の持っているもので困っている人を助けたいという市民の声を募集。

②プラットフォームの運営者(盛島さんら)が、それらの声に応えられるよう、支援先を探しマッチング交渉を行う

③両者の意見、想いを調整しながら、実現にむけて動く

という順序。マッチングの際は神戸市のネットワークを用いることで幅広い分野にアプローチできるという。

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 これまで市民からの「助けたい」という声は数十件ほど届いており、インタビューを行った9月17日時点で一件のマッチングが実現した。
それが神戸市のお寺(浄土真宗本願寺派正光寺さん)とNPOらを結び付けた事例である。この事例ではお供え物で余ったお菓子を何かに役立てたいというお寺の声を受け、プラットフォームが子ども支援の事業者らを提案。お寺サイドもこれを快諾し、たくさんのお菓子が子供たちに配られた。

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「余ったお供え物を子どもたちのために」とお寺さん。(プラットフォームInstagramより。))


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お供え物の”ちょっといいお菓子”。子ども達は大喜びだったそうだ。


この事例のように、“助けたい”と応募してくる市民の多くは「漠然と人の役に立ちたい」と考えていることが多いという。そのため、「そういった市民の声、想いをヒアリングして適切な支援先を見つけるのがプラットフォームの役割」と、盛島さんは語る。


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特徴=震災から立ち上がった神戸の強さ、助け合いの精神と親しみやすさ


 改めてプラットフォームの特徴をお聞きした。盛島さんによると、“助けられたい”という声よりも“助けたい”という声に寄り添っている点が他の「コロナ支援事業」には無い特徴とのこと。そしてそれは震災を経験した街、神戸ならではだと。「キャッチコピーのメッセージは震災から復興した神戸の力強さを想起して、市の担当者さんが作ってくださいました。」と盛島さんは言う。

神戸のまちは
‌困難から立ち上がる、力強さがあります。
‌困っている人に手を差し伸べ、支えあう大切さを知っています。
‌一人一人の支えあう気持ちがパワーになれば、
‌どんな困難も乗り越えられるはず。
‌こんな時だからこそ、"支援の輪"を広げましょう。
(HPより抜粋)

 震災を経験してから25年経つ今でも人々の思いやりの精神は途切れていない。
そうした神戸市民の想いが「助けたい人のためのプラットフォーム」とじて実現したのだろう。


 他にも特徴がある。それは、応募フォームに“親しみやすさ”を盛り込んでいること。このプロジェクトは神戸市が始めたもの。行政主導ということでどうも手続きがかたそう、、、というイメージが先行してしまう。そのためHPの作成を神戸電子専門学校の学生に任せたり、応募フォームを分かりやすくするなどして誰でも応募しやすいようにした。

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応募フォーム。「ニックネームでも可」にすることで応募しやすく。

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ロゴはポートタワーをモチーフにした親しみやすいデザインに。


このような取り組みの甲斐あり、今では団体からの応募だけでなく、個人からの応募も増えているという。

支援の輪をこれからも繋いでいく

 最後に、今後について伺った。8月にお寺さんとNPOを結ぶマッチングを終え、現在は次のマッチングを模索中だという。

「ありがたいことに今はちょくちょく応募をいただいていますね。でも、それが今だけじゃなくてこれからも続いていくようにしないといけないと思います。」と盛島さん。

現在集まっている応募は約20件だ。
例を挙げると以下のような応募があるという。

・コロナ禍の影響で苦しむ芸術関連の業者を助けたい
・専門技術を用いて困っている人の役に立ちたい
・地域の医療従事者を応援したい(けど病院との繋がりがないからプラットフォームに繋いで欲しい)
・高齢者の方にお手紙を書いてあげたい

…といったように市民からの「助けたい」の声は様々。なかには応募内容が漠然としているものも多いという。このような市民の想いを形とするため、盛島さんらプラットフォーム運営事務局は応募者からのヒアリングを重ね、マッチングの実現を目指している。



ライター=はっせ

↓↓withコロナKOBE応援プラットフォームさんのHP,sns,及びプレスリリースです。ぜひチェックしてみて下さい!!


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