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映画のキロク

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映画のキロクは記憶!
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記事一覧

『辰巳』にみる、引き留める心

これ、すごくよかった。 三十歳半ばにして、よくぞこれほど昭和チックな顔面のヤクザ役をキャ…

耳
1日前

『無名』にみる、”映画の自由”の終わりの始まり

楽しみにしていたトニー・レオン氏最新作は中国製スパイ・ノワール。 純粋なエンタテイメント…

耳
1日前
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豪華絢爛『プロスペーローの本』にみる、ピーター・グリーナウェイの偏執

 ”ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティヴ”と題したリバイバル上映が、ここ札幌にも…

耳
2週間前

『ノマドランド』にみる、現代(いま)を生きる答え

この感慨はなにかに似ている。 ずいぶん前に観て動揺を覚えた『イントゥ・ザ・ワイルド』だ。…

耳
2週間前

『アネット』にみる、滾り

鬼才レオス・カラックス作品をこれほどすんなり好きとおもえたことに驚く。 もちろん主演のア…

耳
3週間前

『オッペンハイマー』にみる、世界を変えた核兵器のコワサ

クリストファー・ノーラン監督最新作は“原爆の父”、天才理論物理学者ロバート・オッペンハイ…

耳
1か月前
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『ガスパール/君と過ごした季節(とき)』にみる、南仏の風と人の優しさ

冒頭、いきなりの姥捨てに笑ゲキ。 一文無しのおばあちゃん(シュザンヌ・フロン)を迷わず助けたのはロバンソン(ヴァンサン・ランドン)。彼は幼いころ母親に捨てられて、困った人を放っておけないのだ。 一方、共同で海辺のレストランを準備するガスパール(ジェラール・ダルモン)は、妻が家出して以来、家族の絆にはうんざりだ。 再度姥捨てにかかるガスパール...だがロバンソンの庇護が実を結び、いつしか三人の暮らしに慣れていく。 目下失業中の男たちが、夜な夜な金持ちの家に忍び込んでは食糧を

『BLUE GIANT』にみる、ジャズ魂

石塚真一氏の人気コミックスをアニメ映画化。 世界一のジャズプレイヤーを目指す主人公・大(…

耳
1か月前
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『ヴァチカンのエクソシスト』にみる、職業としての悪魔祓い師

長年にわたってヴァチカンの正式な悪魔祓い師=エクソシストとして活躍した、実在の神父ガブリ…

耳
1か月前
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『夢みるように眠りたい』にみる、林監督デビューの伝説

私立探偵、魚塚甚(佐野史郎)のもとに、月島桜(深水藤子)と名のる老姿から、誘拐された娘・…

耳
1か月前
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『瞳をとじて』にみる、フィルム追憶

ヴィクトル・エリセ監督による、31年ぶりの長編作品。  元映画監督のミゲル(マノロ・ソロ)…

耳
1か月前
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『この世界に残されて』、頬杖をつくように

1948年、ハンガリー。 ホロコーストで家族を失い、一人生き延びた少女クララ(アビゲール・ス…

耳
2か月前

『コンパートメントNo.6』にみる、揺心

フィンランド人監督ユホ・クオスマネンによる長編第2作。 見慣れないロシアの寝台列車を舞台…

耳
2か月前
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『はりぼて』にみる、日本の縮図

 五百旗頭幸男(いおきべ・ゆきお)監督による、保守王国、富山県富山市議会の政務活動費不正問題を暴く社会派ドキュメンタリー。 先月劇場で観た『ヤジと民主主義』をきっかけに、3年前の本編へ立ち返る。地方メディアの底力を感じた。 2016年に始まり、次から次へと芋づる式に、半年で14人もが辞職していく茶番劇。地道な取材でスクープし続けたのは、五百旗頭氏をはじめとするローカル局“チューリップテレビ”の記者たち。そんな彼らの動向は、保守王国にとって目の上のたん瘤、ついに局にいられなく