映画: アップグレード

Amazon Primeで観ました。

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すごい面白かったです。プロデューサーも結構すごい方みたいですね。

昔に、何の授業だったか忘れてしまったけれども、素晴らしい物語の法則を教えてもらった気がする。先生が言うには「二項対立」というものがしっかりしていることが重要なんだそう。そのときはよくわかんなかったな。

この映画はすごく、あけすけに、二項対立を明確にできていると思った。それは例えば「ヴァーチャル」と「フィジカル」だったり、「善」と「悪」だったり。あえて言い切るなら前者への比重を重く感じた。

そもそも主人公がそれこそヴァーチャルとフィジカルの狭間で揺れ動いているし、例えばカメラワークなんかもそれを如実に表していると思う。

アクションシーンのカメラワークは特にそうで、観ている人に対して強すぎるくらいにこの二項対立を埋め込むつもりで構成されてるとさえ思った。

だけど、それでもやっぱりフィジカルな面こそが重要なんだよというメッセージを受け取った気もする。これは錯覚かもしれないけど。

ストーリー自体は王道というか、フィクション慣れしている人にとっては「そうくるよね」みたいな一種の親和を抱くような流れなんだけども、それを補う、いや、底上げするような演出の豊かさがすごく奥深い新鮮さを生みだしている気さえする。これはさっき言ったカメラワークが主軸にあると思う。

それに加えて、何というか、不思議なリアルさがあると思う。

これは個人の意見だけど、SFの妙とは何なのかと聞かれたら、これは「もしかしたら現実になるかも」っていう親近感にあると答える。これがどういうことか、まあざっくり言うなら荒唐無稽が過ぎるとリアルさに対してファンタジーさが勝るってことなんだけども。

この映画の前半?ではあくまでフィジカルを主軸に置いているため、観ている人の入り込みを助長している感じがある。そして、そこから一気に物語の根幹にせまるSF的「荒唐無稽さ」を前面に押し出してくる、っていうような構造があると思う。だからこそ入り込めてストーリーを十全に楽しめるし、感情を揺さぶられるのかなって思った。

ネタバレを避けるとこんな感じです。まあこんなこと考えなくても面白いと思える映画だと思います。レビューもあてになるもんですね。

じゃあ朝日が昇ってきたのでこのへんで、おやすみなさい。

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