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闇闘技場3 剣闘士マリウスシリーズ

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あらすじ
マリウスの主人のアレッサンドラは奴隷の少女アウローラを闇闘技場へ参加させる。

※残虐な描写が含まれます、注意してください。

今日は曇天だ。闘技場が薄暗く不吉に感じる。アウローラには事前に与えられる武器と戦い方を教えたが実戦に出れるレベルではない。俺は彼女の肩に手を置くと「間合いを見ろ」と告げる。アウローラは黙ってうなずく。度胸はある。臆さないし落ち着いていた。

盾と両手剣を持って彼女は闘技場に出る。闘技場の出入り口の鉄の柵が閉じられた。審判の兵士が無言で手を上げて手を下ろす。アウローラの相手は、幼く震えていた。まだ十二歳くらいだろう。ただ俺は違和感がある。こんな非力な奴隷を使い捨てまでして、賭けをするだろうか?余興ならば酒宴で木剣で戦わせても良い。余興で十分に楽しめる筈だ。

アウローラは言われたように距離を取って待っている。しかし相手の娘は動かない。じりじりと時間が経過をすると、槍をもった兵士が闘技場に入る。槍を少女達に突きつけると戦えと明示をする。アウローラは俺を横目で見ると突っ込んだ。速すぎる。

震えた少女は手に持っていた盾から網を出した。小さな網だが子供相手なら十分に威力がある。ぐるりと回すとアウローラにかぶせる。網は元は魚取りのためだが、分銅がついた網は人間に使うと相手を拘束する。内部のトゲで服がからまり武器を使えなくする。

アウローラは後ろに逃げなかった。そのまま突っ込むと体当たりで相手を倒す。彼女は細いナイフを出すと網の目から相手を刺した。腹を刺して横に裂く、腹から赤黒い血が流れると臓物が内部の圧力で飛び出る。審判が止める暇もなく数十回は刺すとアウローラは立ち上がる。審判が倒れている少女を見て「アウローラ」と名前を呼ぶ。

彼女が闘技場から出ると網がまだかぶったままだ。俺は内部のトゲに気をつけながら網を外す。アウローラは、今でも目に表情が出ない。自制心がかなりある娘だ。夜になるとティベリウス家の女主人アレッサンドラに呼ばれる。

「マリウスにも儲けさせて貰ったが、その奴隷娘の勝負も儲かったわ」アレッサンドラは上機嫌だ。酒もしこたま飲んだのだろう泥酔に見える。グラスを差し出すと酒を要求した。俺はワインが入った容器を持つと酒をつぐ。アレッサンドラの娘のヘカテーが部屋に来た。彼女は母親に似ている。高圧的な態度がそっくりだが、母親よりは性格はきつく無い。

ヘカテーが俺に近づくと「昨日の試合を見てた、あんなに強くなるとは思わなかった」俺よりは二つくらいは下だ。俺の体に触りながら「この男を貰えない?」と母親に頼む。母親は少し苦笑いをしながら「ヘカテー あなたには扱えないわ 他人に気を許さない男よ」ワインを銀の容器で飲み干すと、酒を要求した。

続く


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