3/1日記「ジンギスカン」

今日は同期と3人でジンギスカンを食べに行く。

店内に入るとジンギスカン屋の独特な臭いが鼻を刺激したけど、
みんな大人なので3人で
「これこれ〜!」と言ってみせた。

席に着き、
飲み物とラム肉のジンギスカンを注文した。

大学生くらいの店員さんが注文を繰り返した後、タレの説明をしてくれた。

「机に置いてあるボトルがタレとなっておりますのでそれぞれ器に注いでください。ただしこちらのタレ非常に濃いので少量ずつお入れください、、、絶対に。」

そう言って店員は席を離れた。

僕たちは目を見合わせる。

同期の1人がボトルに手を伸ばし、

「まあまあ、ジンギスカン来る前に入れときましょか!」

ドボッコボコボッ

すかさず店員が去った方を見てみると、

こっちを見ながら
「あーあ」と言って、
ずっと見ているぞのポーズを取ってきた。


まさか『絶対に』の倒置法によりここまでプレッシャーがかかってしまうとは。
さらにここからはずっと見られている。

同期1はもう完全に自信を失っている。
もしかしたらこのまま芸人も辞めてしまうかもしれない。

「俺が行くよ」

同期2が立ち上がった。

文字通り立ち上がったので、恥ずかしそうにすぐ座った。
ボトルをおもむろに手に取り、

「エイッ!」

ドバッドバドバッ

そりゃそう。
エイッ!はそりゃそう。

残りは僕1人。
同期2からボトルを大事に受け取った。
高校の時クラス対抗リレーでアンカーを走ったことを思い出した。

一旦深呼吸。
はは。
手が震えてら。

覚悟を決めて入れようとしたその時、
店員に腕を掴まれボトルを取り上げられた。

「あ、もう2人が入れすぎなんで、2人のタレをあなたの器に移したらちょうど良くなると思います。それで。」

僕は軽く笑顔を作り
「そやんな笑」
と言って見せた。

この記事が参加している募集

眠れない夜に

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?