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カルタヘナ国際映画祭 4日目



審査員として映画を観るのも今日が最終日となりました。



最終日はアルゼンチンの実験的映画でした。


これもなかなか日本で観ることがないタイプの映画でしたね。


終わった後のみんなでのフィードバックセッションはなかなかです 笑

監督やプロデューサーはスペイン語しか話せなくて、ドイツ人のドロシーと日本人の僕は英語しか話せなくて、コロンビア人のホルヘはどっちも喋れる。

僕が英語で説明して、ホルヘがスペイン語に通訳して監督が僕に話す。めちゃめちゃ真っ直ぐに僕の瞳を見つめながら丁寧に話してくれるけどスペイン語なのでミリも分からなくて。だけどそんなに見つめられるから目逸らせないやん?何も意味分かってないのに、俺アハーンとか言いながら頷いてさ笑

フィルムメーカーズの話を聴くと、単に映画を楽しむだけじゃなくて、それぞれの国や文化、世情やこういったコミュニケーションもあって、本当に世界を広げてくれるよ。

色んな考えを持った人が、本当に色んな映画を作っています。

全てが新鮮で、驚きと学びとワンダーに満ちています。




その後、ホルヘとランチ食べに行きました。

美術館にある中庭ランチにご招待されたのですが、むちゃくちゃ雰囲気が最高!!

この壁の向こうに広がる中庭
ビュッフェ形式で最高に開放的なランチ


同じ審査員のホルヘはコロンビアで屈指のプロデューサーで、道を歩いているだけで色んな人が彼に話しかけてきます。

「いやあなた顔広すぎやろ!」って突っ込んでおきました。

僕は世界の映画制作事情というものが分かっていないから色々質問して沢山教えてもらってます。何もかもが勉強になります。

いつか僕も海外合作で映画を作りたいんだよ。

新しい道が拓けた、とまでは言えないけど、確実に新しい道への理解は深まった。



ランチ後は、審査員の仕事からは離れ、一仕事。

「これから長編1作目を作ろうとしているフィルムメーカーズ達に田中さんの映画制作の経験を話して欲しい」と頼まれていたので、Opera Prima Labというセッションに参加しました。スペイン語の"ópera prima"は、映画や文学などの文化芸術において、作家や監督のデビュー作の事を意味するそうです。


ぶっちゃけ、2回断ったのよw
俺の話はマジ参考にならんですよ?って話をして。

日本ですら特殊選手すぎて参考にならないのに、コロンビア人の映画制作者に何を話せるんだ!って話じゃないですか。w

まあ色んな監督達も来るだろうし俺も話聞いて勉強しよーと思って軽い気持ちで参加したら、俺とコロンビアの女性の二人しかこちらサイド(話す側)の人間がいなくて、めちゃめちゃ語るハメになりました。

コロンビアの女性の方が最初に色々と説明してたけど、全部スペイン語だったので何も勉強にならず、俺だけ一人アナザースカイでした。あ、通訳さんいなかったのでね。

その後マイクが回ってきて、正直ちゃんと語れるか不明だったけど、『莉の対』の制作過程の事に関してはもう言語レベルを超えているというか。どんどん語っている自分に驚いたし『莉の対』がいかにめちゃくちゃな手法で制作されていったかが伝わり始めると、聞いてくれていたみんなから驚きと笑いと称賛が全部返ってきて

「これ、世界に通じるんだ!」

という体の奥からじわっと喜びが湧き出る感覚がありました。

久しぶりにこんなに熱を込めて話している自分に驚きました。

何回語っても褪せることがないくらい濃い制作期間を過ごしてきた自信がありますが、まさかコロンビアでこんなに熱く語る日が来るとは。

聞いてくれているみんなの目がキラキラしていました。

きっと僕も同じような目をしていたんだと思います。


審査員とか大役を頂いてしまいましたが、僕はまだ今日のセッションに参加してくれたみんなと同じなんだよという気持ちでしかないです。

審査員の仕事は全力で努めさせて頂いています。

だけど、僕はまだフィルムメーカー一年生なんだよ。


セッションに参加してくれた
フィルムメーカーズ達


そして、夜へ。

To be continued…







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