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ロッテルダム国際映画祭 6日目



『莉の対』

ロッテルダムでの上映最終日。



映画祭自体は2月4日までありますが、上映はそれぞれの作品によってこの期間に分散して上映されます。映画祭はまだまだ続くけれど僕たちの上映は前半に固まっていたので今日がラスト、というわけです。

『莉の対』は31日から開催される「フローニンゲン(オランダ北部の街)」でのプログラムにも選出されているので、恐らくロッテルダムでの上映が31日までに固まっていたのかな?と思います。



上映の前に、朝からあお兄とプレゼンセッションのようなものに参加して来ました。プロデューサーやセールスに対して作品をプレゼンする練習の場をIFFR(ロッテルダム国際映画祭)側が用意してくれているのです。

僕たちがロッテルダムに来た理由は、もちろん『莉の対』の上映と宣伝のためですが、それと同じくらい次の作品の為に何かを得ることを目標にしています。具体的は「資本」ですが、その前に「人」です。


他の映画祭の事はわかりませんが、IFFRでは映画制作者を支援する様々なプログラムが用意されていて、本当に素晴らしい映画祭だと思います。僕たちのような未熟な制作者にとっては最高の場だと言えます。


今日のセッションは20人くらいが輪になって椅子をおいて、それぞれが持っているプロジェクトを様々な出自のプロデューサーさんや世界各国の映画祭のプログラマーの方々に発表するというものでした。そしてそのプレゼンに対してダメ出し、というかフィードバックをしてくれるというものです。

僕は見学だけのつもりでしたが、「やってみなさいよ。失敗したって良いんだよ!」って言われたので「よっしゃやったるか!」と気合を入れてのぞみました。

1分30秒にまとめて発表するというもので、僕は何も準備していないので行き当たりばったりでやることになりました。絶対詰まるだろうなと思ったけど、次の作品の為に伝えたいことは自分の中に明確にあったので思っていたよりもはるかに自分の伝えたいことを伝えることができました。

気づいたら1分30秒間ずっと喋り続けることができました。
こんなにいっぱい英語が体から出てくるんだと思うくらい、やっと言葉と気持ちがリンクした気がしました。


言葉じゃなくて

「伝えたい!」

と思う気持ちがやっと言葉を超えた瞬間でした。



あお兄もトライしました。

あお兄には申し訳ないけど、英語でプレゼンができるレベルではない。だけど、必死に汗をかきながら翻訳機を使いながらでもトライしている姿は、頼もしかったです。恥をかいて冷や汗をかいて。こうやって一生懸命挑戦してくれる姿が僕を奮い立たせます。

僕たちはチームです。

みんなで努力して、少しずつ進んでいこう。




北海道での撮影の時からそうでしたけど、オランダに来て、制作部の4人の役割も関係も深まった気がします。

それぞれが強みを持っていて、それぞれに足りない部分を補完しあって。

だから僕には彼らが必要なんですよね。




僕は普段「キャスト」という立場で自由にやらせてもらっています。



改めて、映画を世に出してお客様に観て頂いて感じるのは


キャストは作品の華


だという事です。意識することじゃないのかもしれませんが、俳優は作品の顔なんですよね。キャストのみんなも登壇してくれたりお客様を出迎えたりしてお客様を楽しませてくれたり喜んでもらっている姿を見るとさ、演じることだけが俳優の仕事じゃないよなぁって感じます。



みんなカッコイイですよ、うちのチームは。


上映最終日も、会場は満席。

上々の反応も頂き無事に登壇、Q&Aセッションもクリアすることができました。


満席の映画は僕たちだけじゃないにしても、満席になっている作品の方が全然少ないんです。ほとんどお客様が入らない作品もある中、僕たちの『莉の対』が全日程満席、沢山の方に観て頂けた事は本当に嬉しかったです。しかも、お客様の中に日本人は1人もいませんでした。純粋に、海外の方に観て頂けたんです。これで完全に『Rei』の始まりは世界から、ということになります。

『莉の対』は海外の方に、の方が伝わりやすいところもあると思ますが、日本人にしか分からな独特なシーンもあります。


必ず国内にもお届けしますね。



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