春へ、SOSをさようならで聴く


1,銀色


宇宙船の母体へSOSのラベリングが貼られていく


S、O、Sの種を撒くしつけのある動物として水を撒き続けていた


無垢な遊びをひがなしていて風邪をひくように体温を分つ


きれいに靴を揃えて来る兄弟は、楽器のような音で主張をする

 
男の子って理解できない 今日はヴァイオリンがこだまする部屋


酔っ払いの会場で単色になる夜みな顔ばかりほてらせる罪


細い指、サンドイッチを手掴みするとき宇宙人が折り合うみたい


きょうだいとは耳が触れるほど近くにいても友人はそれが固いかたまり


SOSがたくさん胸に有り どこかで魚の風鈴が破れていく




2,水色


街中に竹林のあるかくりつでふたたび親しみの雨を見るかも


熱いカレーを待つ客がいいいつ見ても今が決められていると言うなら


今言ったことはここにあります若さはプラスチック板よりもずっと


スポーツのようなせいりょうがあり恋は落ちるものだと思っていた


気持ちのかたちはまだ見せられない束縛のない菌は夢見のよう


きみといるときの安心としてどらえもんの登場人物も括られていた


人間はみな食欲があると知っていて苦難ではない僕なりの道


いつかは変わる牛乳の脂肪みたく春みたくきみは何にでもなれる


祖国とか体のためにあがいても今日誰かのために生温くされる



3、深みどり


きみが好きだったショコラ わたしもそれに手を触れてみたくなる
わたしたちが生まれたのはアジア その奥に熱帯雨林がありそう
写真を撮られたときのサーファー
モデルみたいに乗りこなして
きみは笑った 完璧な置き土産
シーンを見ている 皆が雄の目で
君がくれたもの わたしが思い出す
心の水中時計 君のために傾く
みなオーケイ で 揺れる心臓
QP人形みたい
橋で抱き合って
ぎこちない ぎこちない ぎこちない
あいのかたち あいのかたち あいのかたち
あなたのにおい嗅ぎ 熱帯雨林がありそう
きみはショコラ
アジアに生える熱帯雨林
セットヘアスタイル
めあての誰か一人を喜ばせてる
彼がおしゃれをしてから来てる時
もっと喜ばせたい よろこばせたい
きみを喜ばせたい…
わずらわしいもの?
「愛って、」
祈りのポーズ ここは進化系みたいな雨
アジアは熱帯雨林
あたたかく あたたかく もっとあたたかく
わたしはそこに手を伸ばし、
今日君の名前を付ける



@@@


@桃色


時々こいびとの内臓の色を考えていた
それが愛だと思ってた
内臓は薄い紫とピンクが合わさる

それか
勘違いのA面と正しい筈のウラ面がもう
限度を超えてた
愛想が尽きてるのかもしれない
でも今夜彼が出してくる
パッケージされた肉みたいな
その気持ちにわたしは傷ついている
これがそれほどの愛
彼と話したい
彼と話したい 
彼と笑いたい
彼と笑いたい
うすい紫とピンクいろ
わたしの森林はそこに生え揃っていた。
でも、会ってみるとなんか、
何話せばぴったりになるのか今日はわからない。
笑ってごまかしても多分、
彼は笑わない

彼は自分のエンジンを持っているから。
彼はオートマで
それがまだ続いてると思っているし
戦争の内容の協奏曲を聞くのをやめないせい。
電話切ってから、
彼みたいなエンジンをわたしも持っているってこと、知らせたい
多分イライラされそう。
やっぱりわたしは彼を勝たせたい
彼をかたせたい
いつしかわたしもそういうふうになる





3,水色


立ち昇るかなたちのぼるかなこの雪は


雪の上に雨が降っていて偽物の三月の日もある


1たす1は2というように前髪気にしていてもいい子ども


真綿みたいに生まれ付いてたら今頃学校の教師でもしていたかもしれない


1たす1は2と教えるとき世界が少し良くなる方の椅子座る


皆が頷く数だけパウンドケーキの型をへし折る


5年経てばわたしは脚が沢山生えた蜘蛛のように感じているだろう


男に生まれ付いたら今頃飛行機の運転士でもなって居たかも知れない




4,えんじ色


子供達がほしいという気分を今日は宇宙パイと思った



胸の中いつも天秤があり生まれたての目がそれを見ている


大切なものが手元にあるときたった大さじ一杯分の声で怒る


大切なものが手元に無いとき怒りは全てを壊し尽くすまで


生ぬるいタオルのかさ信じているはきみのもつ暖か


日のせいでシクシクする海へ父の日傘で風を集めてから行く

恋を夏と偽りつづける歌と同じになぜかすかすかの片胸満たされていく


引っかかってから花束になる君よりも僕が大事の三重奏もあり


フランダースの犬みたいでいとしい馴れ合いに泣いてしまったわたしの子犬

5,青


この星から出られないままわたしたちはまだ地球のさかな


口や胃のどこに出て行く波の音クラゲのなかの潮の満ち引き


恣意の名で春をつくりあげたからすべての暗喩もただきえていく



ポエム、詩、短歌などを作ります。 最近歴史に興味があります。