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うつ病を経験した僕が気分を安定するためにやっていること

ふとした瞬間、とてつもなく気持ちが沈んでしまって、苦しくなる。
そんな経験はないだろうか?

僕は、うつ病を患っているということもあって、度々そういうことがある。
実は、昨晩から今朝にかけて「消えてしまいたい」と思うほど、激しく気分が落ちていた。

通常、これほどまでに気分が落ち込めば、数週間から数か月もの間引きずってしまうのだが、今回は不思議なことに一日で復活して、こうしてnoteを書くことほど前向きな気持ちになることが出来ている。

自分でもどうして今回は早く立ち直れたのか不思議に思い、自己分析してみたところ、以前とは行動や思考に変化が生じていることが解った。
この記事では、以前と現在の行動や思考の違いと、それらの変化によってもたらされた効果について述べていく。


悩むことは無駄であることに気付く

気分が落ち込む原因として、嫌なことや不安なことを延々と悩んでしまうということが挙げられる。

例えば、これは僕自身が現在進行形で経験していることだが、離婚調停について悩み始めると本当に気が滅入る。
想定される相手の主張、自分の主張、養育費、慰謝料、どうしてこんなことになってしまったのか等々、悩み始めたらキリが無い。

特に、精神的に疲弊しているときは、こういった嫌なことが頭の中で堂々巡りになりやすいし、抑うつ症状が強いときなどは、悩んだ結果破滅的な結論を出してしまいがちになるので注意が必要だ。

以前の僕なら、悩むことで精神的に消耗し、破滅的な結論に絶望してまた悩むという負のスパイラルに陥り、激しく落ち込んでいたことだろう。
その結果、回復に長い時間が必要だった。

しかし最近、精神的に消耗した状態で出した結論に建設的なものはないのだから、悩むことは無駄だと気付いた。
だから、自分が悩んでいると感じたら、悩むことを辞めるように意識している。
今回、気分の立ち直りが早かったのは、そのおかげだろう。

悩むことが無駄である理由は、悩みの原因が”今、自分がコントロール出来ることではない”からだ。
調停でいえば、相手の主張も、調停の結末も自分がコントロール出来ることではない。
そういった、今の自分にはどうすることも出来ないことは、どんなに頭を捻っても解決出来ないのだから、悩んだだけ時間と精神の無駄遣いなのだ。

だからこそ、自分にはどうすることもできないことを悩むのはやめよう。
その時間を他のことに使えば精神の安定は保てるし、ひいては充実した人生にも繋がっていくはずだ。

とは言っても、悩まないようにするのは案外難しい。
そこで、ここからは気分が落ち込んだり嫌なことを悩んでしまったときの具体的な対処法を紹介する。
いずれも僕が実践して効果があったものなので、是非参考にしてもらいたい。

今、自分ができることに集中する

気分が落ち込むときというのは、嫌なことを見た・聞いた・思い出したときだ。
つまり、嫌なことに意識が向いているから気分が落ち込む。
ならば、それを逆手にとって今できることに集中すれば、嫌なことを考えないから、そのことで気分が落ちることも無いはずだ。
そう思って、僕は最近、気分が落ち込みそうになったら『今、自分ができることに集中する』ということを意識している。

今、自分ができることであれば何でも良い。
noteを書くでも、勉強するでも、瞑想するでも、遊ぶでも何でも良いからそのことに100%集中するのだ。

何もできることが思い浮かばなかったら、ネットニュースを音読するのでも構わない。
実際、僕は本や新聞記事をつっかえないで音読するというのをやっているが、スラスラと読むにはかなり集中力を使うため、嫌なことをシャットアウトできて、いい気分転換になっていると感じている。
是非試してみてほしい。

もし、色々試してみたけど、どうしても集中できないというときは、脳が疲弊しているサインかも知れない。
そのときは、しっかりと睡眠時間を確保して、脳疲労をとることを最優先してほしい。
脳疲労は精神安定の大敵だ。
スマホを見ながら寝るのではなく、寝ることに集中してしっかりと脳を休めるのが望ましい。

また、たまに仕事の疲れで休日は昼過ぎまで寝てしまうという話も聞くが、それは心の健康の面で重要な睡眠だから、自分が怠けものだとか休日を無駄にしてしまったと思って悲観することは無い。

僕は、うつ病の症状が酷かったとき(今でも調子が悪いときは)、1日に16時間以上寝ていた。
自分は廃人になってしまったのかと思うほど寝ていたのだが、医師によると蓄積していた疲労を取る過程でよく見られる症例らしい。
つまり、『寝たいなら寝る』というのは心身の健康において正しい行為であり、それが今、自分ができることなのだ。

気分が落ちたときこそ運動する

一旦気分が落ちると心身ともに元気が無くなるもの。
当然、運動なんかやる気にならないのだが、最近は敢えて気分が落ちたときに運動するようにしている。

始めに注意しておかなければならないのは、動くことすら辛い人やうつ病が重い人には運動はおススメしない
その状態のときは、まず動ける元気が出るまで休むことが大事だ。

ここでは、メンタルは健康だけどちょっと気分が落ちている人や、うつの症状が回復してきた人に向けて運動をするメリットを紹介していく。

気分が落ち込んだときに運動するメリットとは?

敢えて気分が落ちたときに運動するのは、次のようなメリットがあるからだ。
以降、詳細を順に説明していく。

  1. 運動に集中してネガティブなことをシャットアウトする

  2. 運動によってホルモンを分泌させて気持ちを安定させる

  3. 身体に程よい疲労を与えて睡眠の質を向上し、脳疲労をとる

1.運動に集中してネガティブなことをシャットアウトする

1つ目の理由は前述した『今、自分ができることに集中する』のが容易だからだ。
特に、自分が楽しいと思う運動か、運動強度がキツイ運動をすると集中しやすい。

想像してもらうと解かり易いが、自分が楽しいと思うことをしているとき、自然とそのことに集中できている。
だから、思い切り好きな運動を楽しむというのは、集中して嫌なことから気持ちの切り替えという面でも効果的だし、ストレス発散という面でもとても有効な手段といえる。

ただ、人数や場所によっては、好きな運動が出来ないという場合もある。
その場合は、ランニングや筋トレのように強度の高い運動をすることで、同様の効果が得られる。
何故、強度の高い運動が良いかというと、余計なことを考えていられなくなるからだ。

僕はウェイトトレーニングをやっているが、目の前の重量を全力で挙げようとすれば自然と集中するし、セット間の休憩中も呼吸を整えて回復することで精一杯になるから、余計なことを考える余裕が無い。
結果、トレーニング自体はキツイけど、いい気分転換になっている。

とは言え、落ち込んだときは運動を始めるまでが気持ち的に一番難しい。
ジムに行く習慣が出来ても「今日は行きたくないな」と思うこともある。
そんな時は、”取り合えず”トレーニングを1セットだけとか、”取り合えず”走るのは5分だけというように小さな目標設定で始めると取っ掛かり易い。

実際に運動を始めてしまえばなんてことはない。
取り合えずの目標は楽々と超えて、ここで辞めたら勿体ないと思えてくる。
やり始めることよりもやり続ける方が断然楽なのだ。
やり始めさえすれば、運動の恩恵を享受することが出来るので、気が進まなくても「取り合えずやってみるか」と、軽い気持ちで動き出すのがポイントだ。

2.運動によってホルモンを分泌させて気持ちを安定させる

2つ目の理由は、運動によってテストステロンやドーパミン、セロトニンといったホルモンが分泌され、これらの働きでストレスを和らげて気持ちを安定させることを目的としている。

ここではホルモンについて詳しく述べないが、運動することで脳を活性化したり、やる気を出したり、気持ちを安定させたりするホルモンがドバドバと出てくる。
その結果、感情や気分のコントロールがしやすくなり、仕事や勉強に集中しやすくなるのだ。
気分が安定するうえに、今出来ることに集中しやすくなるので、運動することは最も安全で効果的な精神安定剤と言っても過言ではないだろう。

実際、僕は抗うつ薬を何年も服用していたが、どれほどの効果があったのかは実感が無い(効果を実感するほど強力な薬も怖いが)。
感覚としては薬よりも、少しずつ運動するようになってから気持ちが安定するようになってきたように感じている。

今も気分に波があって落ち込むときがあるが、そういうときに運動するのとしないのでは、その後の引きずり方に大きな差があるのを、僕は身をもって経験した。
だからこそ、気分が落ちたときに運動するし、それによって分泌されたホルモンがメンタルに好影響をもたらしていることを享受できているのだと思う。

3.身体に程よい疲労を与えて睡眠の質を向上し、脳疲労をとる

気分が落ち込んでいると活動量が減りがちになる。
その結果、頭は疲れて眠いけど、身体が疲れていないから眠れないといったケースも出てくる。
それが続くと布団に入っても寝ないということを脳が学習してしまい、不眠症の原因となることもあるようだ。

僕も、うつ病の症状が一番重かった時期を抜けた頃、こんな感じで不眠になったことがあった。
不眠になると脳疲労が取れないから、気分の落ち込みが改善し難くなる。
そんなとき、医師に言われたのが「運動しなさい」ということだった。

ただ、始めはやはり運動する気にならないし、そこまでの元気が湧かないものだ。
そんなとき、僕がやった運動というのが散歩だった。

僕が散歩を始めたときというのは、家に籠りきりだったこともあり、身体は鈍っているし体力も無かった。
そんな状態だと日光や道路の歪みでさえ負担に感じて、たった10分の散歩でもクタクタになった。
その日の夜、ベッドに潜り込むと心地よい疲労感が眠気を誘い、いつしかグッスリと深い眠りについていた。

翌朝、目を覚ますと頭と体の疲労感が軽くなったように感じ、幾分かスッキリとした気分だった。
これはきっと、深く眠れたことで脳の疲労が軽減したためだろう。

今まで眠剤を服用しないと眠れなかったのに、たった10分の散歩が入眠を促し、翌朝までまとまった睡眠をとることが出来たことに驚くと同時に、たった一晩で自覚できるほど回復する睡眠の大切さを痛感した。

それ以降、睡眠をとることを最優先にしようと思い、そのためには身体を程よく疲れさせることも大事だと考えるようになった。

実際、運動の習慣を意識するようになってから、夜に眠れないということは明らかに減ってきていると感じているし、気分の落ち込みだけでなく、不眠で悩んでいる方にも試してみる価値はあるのではないかと思う。

僕は運動することによって睡眠が改善して、肉体的には以前よりも健康的で体力も回復してきた。
そのうえ、うつ病を発症したときよりも無駄な肉は減って、それが自信につながっているような気もする。

最初は10分だった散歩だったが、少しずつ歩く距離を伸ばして、今はジムでトレーニングするまでになっている。
もし、運動をしていなかったら、僕はここまで回復できただろうかと思う。
それほど、運動の効果は大きかった。

だからこそ、同じように苦しんでいる人に運動を勧めたい。
まずは無理のない範囲で少しずつやってみてはいかがだろうか。

まとめ

・悩むことは無駄
 自分でコントロールできないことは頭から切り離す。
・今、自分が出来ることに集中する
 気分が落ち込むときというのは、嫌なことに意識が向いているとき。
 今、自分が出来ることに集中して、嫌なことをシャットアウト。
・気分が落ち込んだときこそ運動する
 運動に集中して嫌なことをシャットアウト。
 運動するとホルモンが分泌されて気持ちが安定する。
 運動で身体が疲れれば、質の良い睡眠がとれる。
 睡眠は脳の疲労を取り除き、気持ちが安定する。

僕はこの方法で以前よりも気分が安定するようになったが、必ずしも効果を保証するものではないことに留意されたい。

大事なのは、自分がどうすれば気分の落ち込みから抜け出せるかを知っておくことで、それを知っていると抱えている不安や”生きづらさ”を軽減できるのではないかと思い、その方法を紹介した。
この記事が気分の落ち込みに苦しんでいる人の一助となれば幸いだ。




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