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失敗しないオフィス移転の極意ー内装編ー(のつもりだったがいつのまにか仕事論の話してた)

前の投稿を見直したら2019年の5月になっていました。半年も経ってるやないかーい(!)「1カ月に1投稿したいね」なんてのたもうた口はどこにいったのかしら。そんなわけで久々の投稿です。

初のオフィス移転プロジェクトを振り返ってみよう後半戦。前回は「失敗しないオフィス移転の極意ーオフィス選び編ー」で、物件選びのあれこれについて語りました。今回は、プランナーさんと「オフィス移転共同プロジェクト」を円滑に推進するための心構え(?)を振り返ってみました。


極意①より具体的なイメージをプランナーに伝える

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オフィス移転の醍醐味はなんといっても「オフィスの内装」を妄想すること!どうせ移転するならお洒落なオフィスがいいなぁと思うのは世の常、人の常。しかし、ここに大きな落とし穴があるといっても過言ではありません。プランナーに「かっちょいいオフィスをデザインして!」といえば、自分のイメージ通りの洒落乙オフィスができあがる……なんて夢物語はありませんでした。

それはなぜか?イメージを言語化して相手に伝えるという行為は想像よりもずっと難しいからです。人はそれぞれ自分の「感性」を持っています。その「感性」をありのまま互いに共有する術を私たちはまだ持っていません。だから、「会話」を繰り返して「イメージ」のすり合わせを行います。ただ、「言葉」は便利そうでいて、非常に厄介なツールなんですね。(過去記事でもそんなことを書いていた→組織に所属する意義とは?チームの心地よさの根源はアウトプットによる「純粋」なコミュニケーションにある)

同じ場所で同じ時間に同じ景色を眺めていたとしても、互いに見えているものや感じていることが違う。それが自己と他者との「認識の違い」です。

下記は、男女の色彩認識の違いを図にした有名な画像です。色彩の認識ですらこんなに異なるのに、「かっこいい」「イケてる」「シャレてる」を語るなんて、とても困難なことだと思いませんか?「認識の一致」というのは「言うは易く行うは難し」で、至難の業なんですね。

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参照:色の見え方に男女差!男は7色、女は29色で見えている(元画像のURL見つからなかった……ごめんなさい)

つまり、オフィスの内装プランでもこういうことが起きる。

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はい。「お洒落」でイメージするものが全く違うわけです。このイメージの差異をそれぞれの担当者が持ちながら「言葉」だけで打ち合わせをしていたとしたらちょっとしたホラーです。言葉のうえでは合意が取れていたとしても、脳内ではまったく違うものが展開されているんですね。この状態で意図通りのものをつくれと依頼されるプランナーからしたら、砂上の楼閣を掴めと言われているも同然です。

そんなときは!イメージを具体化するのに役立つピンタレストを活用するに限ります。言葉だけではすり合わせが難しいものでも、具体的な”ブツ”がともなえば、「これはイメージがちがう!」「これはイメージがおなじ!」と語り合うことができます。

一度で相手の意向に「どんぴしゃり!」とハマるストロークを投げることは難しい。これはブレインストーミングで会議するのと似ていて、思考を発散させるには良いですが、収束させていくには向いていません。そこで「消去法的思考」が役に立ちます。一見、無駄な作業が多いと思われがちですが「ハマらない」ものを寄り分けていく行為が、実は一番思考エネルギーを使わないため結果的に最短で答えに辿りつきます(笑)


極意②キーワードをマインドマップにしてコンセプトを明確に

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なんとなくイメージの共有はできました。しかし、コンセプトがないと統一感のあるデザインはできないですよね!ということで、次にオフィスのコア・コンセプトも考えます。私はアナログ人間なので、クロッキー帳にペンでぐりぐり書き殴りますが、マインドマップ作成ツールで思考の整理をするのも良いですね。

今回は「オフィス」がテーマなので、「会社名」から定性的なイメージを膨らませました。そして、会社の「ミッション」「ビジョン」「バリュー」から定量的なオフィス機能をイメージしました。


★イメージをこんな感じに反映してもらいました例

・「ニット」「あむ」「つながり」のイメージから、執務室とエントランスを分ける壁を「曲線」にすることで「柔らかさ」を表現してもらった

・「選択」のイメージから、「会議室」「エントランス」「執務室」「バーカウンター」「お昼寝スペース」と限られたスペースで多様な空間をデザインしてもらった

・「ボーダレス」のイメージから、お互いの顔が見れる「執務室」にしてもらった(ついでに人数変動が激しいので、将来的なレイアウトも描いてもらった)

前回のお話も踏まえて、プランナーさんへお渡ししたほうが良い3点セットを整理してみました↓↓

①オフィス移転の「背景・課題・ゴール

②オフィス内装の「コア・コンセプト

③オフィス内装の具体的な「イメージ・ポートフォリオ


(あれ、これWEB制作とかでデザイナーに依頼するときに必要な3要素じゃない?)


極意③オフィスはあくまで実用的であれ

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さんざん「デザイン」について語ってきましたが、オフィスにおいて一番大切なのは「生産性爆上げ!な!仕事空間」になっているかどうかです。なんてたって一日の大半をそこで過ごす人々にとって、オフィスの居心地の良し悪し、使い勝手の良し悪し、は死活問題です。

特にこだわりたいのが「オフィスデスク」と「オフィスチェア」です。長時間座っていても「首と腰と背中を痛めない」が最重要!プランナーさんのご提案でオフィス家具メーカーのモデルルームにお邪魔し、様々なグレードのチェアに座らせていただきました。めちゃくちゃハイグレードにする必要もないのですが……やはりお値段に跳ね返ってくるものも確かにありました(笑)背もたれの高さや肘かけの有無など実際に座ってみないと感覚が分からないことも多いので、実物調査はおすすめです!


(あれ?これもWEB制作とかで超重要なペルソナ設計やユーザー導線設計の考えに似ているなぁ。どちらもユーザーニーズが何より大事じゃない?)


極意④予算オーバー?!理想を詰め込んだあとの引き算が勝負

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「あれもしたい!」「これもしたい!」の理想をふんだんに内装プランに詰め込んだ結果、目前に突き付けられたのは「予算」という全てが吹き飛ぶリアルな数字でした。妄想を語っている時は楽しかったのになぁ……積み重なる見積書の束をぺらぺらめくりながら遠い目をしてしまったのはここだけの話。

理想はあくまで理想!その理想を現実に近づけるために行ったことは、またしても「消去法的思考」です。オフィスの内装でフォーカスしたいのはどこか?それはつまり、どの部分なら捨てられるのか?の取捨選択でした。

そして、何よりも重要なのはプランナーさんにありのままを伝えること。外部パートナーに予算を伝えるときにちょっぴり見栄を張っちゃうことってありませんか?(笑)お金という数字はどんなにこねくり回しても、上りも下がりもしません。だから、真正直に「予算は◎◎だ!」と伝えましょう。すると、「ここはカットできますよ」「ここは代替手段を考えましょう」と予算カットのあれこれを提案してくれます。やっぱり、専門的なことはプロフェッショナルに相談することが一番です、うん。


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ちなみに備品は全部一覧リストにして最安値比較をして購入検討しました。意外と市販の通販サイトをめぐると、お手頃価格で良い家具を扱っていることも。


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プランナーさんにご提案いただいたオフィスの家具を自分たちでつくろうDIYワークショップの様子。


★参考までに家具通販サイトを集めてみました

FLYMEe
LOWYA
Bellemaison
dinos
Air Rhizome
Re:ceno
Noce
unico
kirario


★あの手この手で予算内に収めましたの例

・使用シーンや使用時間が多い家具はきちんとしたものを!それ以外はディスプレイ用なので、なるべく値段を落とそう!

・オフィスの使用人数から内装プランにあるスペースは全部つくり切らない!将来的に追加造作をするのも念頭にいれる!


極意⑤大事なのは値段じゃない!どう活用するかだ!

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ということで、最後に庶民の味方であるダイソー大先生の大活躍っぷりを一枚目に収めてみました。

「予算がないから◎◎ができない……!」という消極的な考え方だと、なんとも楽しくないプロジェクトになってしまいます。「◎◎だけど▲▲なら、できるかもしれない……」の思考は、自分自身の殻に閉じこもったイマージネーションをより豊かにしてくれます。順風満帆な一本道よりも、曲がりくねったワインディングロードの方がスリリングでエキサイティングですよね。舗装されてもいない道路を抜けての最短ルート探しの冒険が、私にとっては最高にアドレナリンが出ます(笑)

どんなものにも存在価値はある!大事なのはその価値をどのように発揮させるかだ!そして、値段では測れないプライスレスな価値が世の中にはある。

総括:オフィス移転プロジェクト面白かったなぁ。

(オチがついたようなついていないような……)


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