マッド・ティーパーティー・オブ・ザ・デッド
「フーッ……」
紅茶エッセンスを静脈注射し、オレは溜息をつく。時計を確認する。午後三時。ここが下水道の奥底で、地上をゾンビどもがうろついてなきゃ、優雅な午後のティータイムだ。
英国、ロンドン。ここはもはや生者の都じゃない。晴れない霧で閉ざされた市街地を、数百万のゾンビがうろつく地獄だ。数日前の午後三時、突然それは襲ってきた。テロリストのウイルス攻撃か、悪魔の呪いか。パニックの中、誰もなにもわかっていない。外へ脱出しようとした奴らは、霧にまかれて戻ってきた。出られないのだ。