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午後のスーチャ

ドルジェは詰め所の倉庫から「午後の紅茶」の大きなペットボトルを取り出すと、銅製の鍋に注ぎ、火にかけて煮詰め始めた。

「なにしてんだ」「バター茶(スーチャ)を作る」「ああ、頼む」

材料は揃っている。磚茶から作るわけでもなく、木桶もミキサーもないので適当だ。バター、塩、牛乳を少しずつ混ぜ合わせ、分離しないよう根気よく攪拌する。一般的な茶というよりはスープだ。だが、これもれっきとした茶だ。栄養も豊富。贅沢を言えば甘みがほしいが、贅沢は言えない。

「初物は、仏様に供える。あとは年長者から順番だ」

ドルジェはそう言うと、バター茶を碗に注いでから恭しくブッダを拝み、祈りを唱え始めた。続いて俺も受け取り、むにゃむにゃと唱える。簡素な食事をとりながら、ありがたいバター茶を飲む。温かく、うまい。

「うまいよ、ドルジェ」「そうかい」

俺とドルジェは銃を手に、警備を続ける。結局残ったのは二人だけだ。ここもいつまでもつか。


※レシピは適当です。

【参考】


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