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【聖杯戦争候補作】真赤な誓い

男の朝は早い。冬木市郊外、森の奥の山小屋で、彼は鶏よりも早く目を醒ましていた。窓の外はまだ真っ暗で、星空が見える。

山小屋の管理人―――それが彼に割り振られた役割だったが、今や違う。短い黒髪に無精髭、鍛え抜かれた肉体。鋭い目つきで周囲を見回し、男は夢の中で告げられた「記憶」を整理し始める。

聖杯戦争。万能の願望器を巡って行われる、魔術師たちの殺し合い。魔術師でもない自分が呼ばれたということは、それを何者かが歪んで再現した、本来のそれではない何か、なのだろう。

知る範囲では、これ程の規模を持つ『冬木市』という街は、自分のいた日本には存在しない。海外にもない。戦場として擬似的に創られた空間、たとえば電脳空間か。あるいは、並行世界に実在するのか。前者であれば、この自分も電子的な複製データに過ぎず、本人は寝床で高いびきかも知れない。後者であれば―――

男は思考を中断し、布団から身を起こす。睡眠、気力、体力は充分。体操し、水を浴び、朝食を摂る時だ。深く呼吸した後、軽くストレッチを行い、身支度を整える。そして二階の窓から身を躍らせ、庭先に音もなく着地する。

目の前には、身の丈3mはあろう巨漢。顔を含む全身を、中世欧州の騎士のような甲冑で覆っている。甲冑は全体が艶消しの漆黒で塗られ、夜明け前の闇に溶け込むかのようだ。右手には馬上槍(ランス)、左手には盾、腰に大剣と槌矛、傍らには巨大な黒馬。禍々しいフルフェイスヘルムの奥に赤い眼光が輝き、スリットから焔のような蒸気が吹き出す。

明らかに常人ではない、というか人間ではない。おそらくは英霊、サーヴァントというやつだろう。俺がマスターだと察知して襲撃に来た敵か……さもなくば、俺のサーヴァント。

男は警戒を解かず、顔をあげて黒騎士に対峙した。

「待たせたな。俺の名は『キャプテンブラボー』。あんたのクラスと、真名を教えてくれ」

堂々とした名乗りに、黒騎士は肩を揺すって笑う。なんと真っ直ぐな瞳、真っ直ぐな声音、真っ直ぐな心根か。好漢にして好敵手。久しく見ぬほどの。黒騎士は大音声でこう告げる。

「吾輩の名が知りたくばァ、吾輩と戦えェい!!!」

ビリビリと空気を震わす気迫。互いに尋常ならざる好敵手と見極め、男、キャプテンブラボーもニッと笑う。

「腕前を知りたい、というわけか。いいだろう、手合わせ願おうか」
「ふふん。吾輩は騎士ゆえ、この装備で戦う。そちらも武器があれば、好きに用いるがよォい!!」

黒騎士は、ひらりと傍らの黒馬に飛び乗る。ただでさえデカい相手が、さらに巨大な姿となる。対するブラボーの身長は185cm。決して小男ではないが、騎乗した黒騎士と対峙しては、絶望的な体格差。

「……俺の武器は、コレだ」

ブラボーは、懐から掌に収まるほどの、六角形の金属塊を取り出した。手裏剣ではない。錬金術が生み出した超常の金属『核鉄(かくがね)』である。だがヴィクターの件が全て解決した後、錬金戦団に返還したはず。これが俺の手元にあるということは――――

「『武装錬金』!!」

ブラボーが核鉄を翳して叫ぶや、ソレは展開し、無数の六角形の金属チップに分裂し、ブラボーの全身に纏い付く。瞬時に白銀色のテンガロンハット、襟の長いコート、スラックス、長手袋、ブーツが出現し、彼の身を包んだ。帽子と襟の間から眼だけが見える。

『防護服(メタルジャケット)』の武装錬金『シルバースキン』。いかなる攻撃も遮断する。あとの武器は、コレだな」

グッ、と拳を突き出すブラボー。
魔術はともあれ、錬金術なら知っている。それが超常の兵器と超常の存在を生み出し、数々の悲劇を生んだことも。ソレらが人間や動物の「本能」に働きかけて発動するものであるならば、システムとしては『魔術』に近いだろう。英霊、昔の英雄の霊たちも、超常の力を振るうのならば、魔術的存在だ。ならば、この俺の武装錬金が、が、通じるはずだ。

「不足なし。しからば、全力で参れ! ――――いざ尋常にィ、勝負!!

両者は同時に地を蹴り、相手へ突撃!ブラボーは空中で相手のランスに左手を添えて逸し、懐へ飛び込む! 馬を飛び越え、繰り出される盾を躱し、黒騎士の顔面へ右拳を叩き込む!

「直撃!ブラボー拳!!」

痛烈!黒騎士は後方へ仰け反って衝撃を逸らすが、馬上でバランスを崩す!

「むぅ……!!!」

黒騎士はランスを手離し、両手でブラボーに掴みかかる!ブラボーは逆に黒騎士を掴み、空中で巴投げ! 回転して飛んでいく黒騎士は、空中で体勢を整え、背後の巨木の幹に両足で着地!反動で砲弾のようにブラボーへ突進!
さらに腰の大剣を抜き放ち、斬りつける!ブラボーはこれを躱し、振り向き、着地した黒騎士へ駆ける!

「粉砕!ブラボラッシュ!!」

拳打の嵐!もはや色付きの風にしか見えぬ高速のラッシュを、黒騎士は大剣と盾で受け、耐え、凌ぎ、躱す!どちらも譲らず!鎧が軋み凹み、防護服から六角形のチップが舞う!烈風が生じ、地面が爆発し、木々が葉を散らす!

「「おおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」

森を駆け抜けながら打ち合うこと十数分、両者は回転跳躍してやや距離を取り、構える! ブラボーは拳を!黒騎士は……盾を! 思い切り打ち込んで来いとの誘い!ならば全力で応えるのみ!!

「一・撃・必・殺!ブラボー正拳!!!」

凄まじい正拳突きが盾の中心を捉え、爆発的衝撃波を発する!黒騎士は盾ごと後方へふっ飛ばされ、崖にめり込んで止まった。なんとか抜け出して跳躍、着地するが、クラクラと目を回し、そのまま仰向けに倒れてしまう。背後で崖が崩れ去った。

「ぐむぉ……」
「やれやれ。どれ、約束だ。クラスと真名を名乗ってもらおうか」

流石は英霊、互いに手加減はしていたであろうが、なかなかの強敵だった。聖杯戦争でも活躍が期待できそうだ。ただ、サーヴァントには魔術師や暗殺者、弓兵などもいるという。正面切っての戦いならともかく、搦手から攻められればどうか……。

ブラボーは黒騎士に歩み寄る。どこか遠くで、鶏の声。小鳥たちがさえずり、東の空がしらじらと明け始める。

その瞬間、倒れていた黒騎士の全身が、赤橙色に輝いた

「!?」

ドン!と騎士の体が数m飛び上がり、空中で半回転してブラボーに頭を向け、顔を向けて手を叩く。

「ブラボー!!おお……ブラボー!!!」

十八番を取られて驚くブラボーに、騎士は笑いかける。甲冑は熱した鉄のようになり、凹みやキズが修復されていく。

ぐわーーーっはっはっは!!!久方ぶりに、骨のあるやつに出会うたわい!!吾輩、感動を禁じ得ぬ!!」

くるくると身を翻し、騎士はブラボーの目の前に降り立つと、兜を脱いで素顔を見せた。赤い肌、赤い髪、赤い髭、赤い瞳。豪傑というものを絵に描いたような、初老の戦士の顔だ。傍らに彼の乗騎が駆け寄るが、その馬も先刻とは違って赤い。そして、騎士はついに名乗りを上げた。

「吾輩のクラスは『シールダー(盾兵)』!!セイバー、ランサー、ライダー、バーサーカーの適性もあるがな!! そして吾輩の真名は……赤の国の赤の騎士!アーサー王の円卓の騎士が一人!!『アイアンサイド』であァる!!!

怪訝な表情を浮かべるブラボー。あいにく西欧の文学には詳しくないが、アーサー王の円卓の騎士にそんな奴がいたとは。曙光の中、シールダー・アイアンサイドはブラボーに対して片膝を折り、恭しく礼をした。己の主君と認めた、ということらしい。

「ああ、よろしく頼む、アイアンサイド卿。……で、その甲冑の色は、どうしたんだ」

スックとシールダーが立ち上がり、胸を張り、腕を組む。

「むふん!日の出より正午までの間ァ、吾輩の力は増し続け、最大で七倍となァる!! 先程の吾輩は貧弱な夜中の姿である『黒い騎士』!!『赤い騎士』となった吾輩に比べれば、七分の一に過ぎィぬ!!」

七倍。かなりの実力を見せてもらったが、アレの七倍とは。確かに彼の気力は、日の出とともにぐんぐん上昇している。であれば、彼を運用するなら日中、それも午前中がよいというわけだ。つまり、今からだ。

クラスと真名が判明したので、ステータスの確認も出来るようになった。ひたすら戦うために存在するような能力だ。俺の戦闘力と武装錬金を駆使すれば御せぬ相手ではないが、これ以上仲間と戦うのは、互いに無駄な消費である。準備運動はここまで。水浴びを行い、朝食を摂るとしよう。その前に、確認しておく。

「アーサー王の円卓の騎士なら、聖杯については知っているだろう。あんたは、欲しいのか」

ブラボーの問いに、シールダーは胸を張って答える。

「ふん!必要なァし! ガレス殿のことやら諸々願いはあるがァ、聖杯に願うほどのこともなァし!」

アーサー王の国ブリタニアは滅んだ。王はアヴァロンへ去り、円卓の騎士たちも離散した。アングル人の国イングランドが生まれ、ノルマン人やフランス人の王を頂き、ウェールズやアイルランド、スコットランドを従えた。それはそれで歴史の流れ。日はまた昇り、また沈む。幻想世界で生まれ生きる自分には、永遠の戦いこそが似つかわしい。

「そりゃ良かった、俺だってそうだ。ましてや、他人の命を踏みにじってまで手に入れたくはないさ」

ブラボーは帽子を取って笑い、ウインクする。貫き通す信念に偽りはないにせよ、明確な「悪」に与するのは、もうごめんだ。聖杯を使えば、誰も泣かない世界だって作れるだろう。戦いも争いも、憎しみも不幸もない、平和な世界が。それを願う者もいるだろう。だが。いかに罪なき救世主が己の血で罪を贖ったと言っても、聖杯のために罪なき者たちの血が流されるのは、己の信念が許さない。

無力な女子供、生還だけを願う者。彼らを護り、助け出す。破壊と殺戮を求め、おのが欲望のままに行動する参加者は、容赦なく打ち倒す。俺には、俺たちには、それが成し遂げられるだけの力があるはずだ。作戦範囲はこの街ひとつ。手の届く限り、救える命を救ってみせる。

ブラボーの決意と覚悟は、何も言わずともシールダーにも伝わる。やはり同じタイプの男なのだ。ああ、まるで、ガレス殿のようだ。あの悲しい運命を、この男に辿らせてはならぬ。

「しからば!」
「ああ」

東の空から、朝日が昇る。全ての生命を育む陽光。我が心に、あの輝きがある限り。

「止めるぞ、聖杯戦争を」
「合点承知!!!!」

【クラス】
シールダー

【真名】
アイアンサイド@アーサー王伝説

【パラメーター】
筋力A+ 耐久A+ 敏捷B 魔力D 幸運C 宝具A

【属性】
秩序・善

【クラス別スキル】
対魔力:A
A以下の魔術は全てキャンセル。事実上、現代の魔術師ではシールダーに傷をつけられない。

騎乗:C
騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせるが、野獣ランクの獣は乗りこなせない。愛馬ファヴェルハンドに跨る。

自陣防御:C
味方、ないし味方の陣営を守護する際に発揮される力。防御限界値以上のダメージ削減を発揮するが、自分はその対象には含まれない。また、ランクが高ければ高いほど守護範囲は広がっていく。

【保有スキル】
鋼鉄の決意:A
鋼の精神と行動力とがスキルとなったもの。複合スキルであり、勇猛と冷静沈着の効果も含む。

戦闘続行:A
不屈の闘志。瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。

無窮の武練:A+
ひとつの時代で無双を誇るまでに到達した武芸の手練。心技体の完全な合一により、いかなる精神的制約の影響下にあっても十全の戦闘能力を発揮できる。

真・真紅の勇者伝説:EX
特殊体質。日の出から正午までの間、戦闘力が増大して行き、正午までの1時間は7倍になる。太陽3倍状態のガウェインすら退けた。ただし正午から日没までの間は、逆に戦闘力が減少していく。夜間は比較的弱体化するが、それでも単純な戦闘力なら相当の強さ。強い太陽光線に相当するものを照射すれば、午後でも夜でも強化可能。真上から照らされればなおよし。

護国の鬼将:B
あらかじめ地脈を確保しておくことにより、特定の範囲を"自らの領土"とする。この領土内の戦闘において、領主であるアイアンサイドは高い戦闘力ボーナスを獲得できる。『赤き鉄騎の護国卿』はこのスキルで形成した領土内においてのみ、行使可能な宝具である。

【宝具】
『無敵鋼人大胆不敵(インヴィンシブル・アイアンサイド)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:-

シールダーたる所以の宝具にして、騎士としての装備一式。全身甲冑、馬上槍、大剣、槌矛、盾、そして乗騎ファヴェルハンド(黄褐色の足)を含む。
甲冑は堅牢無比で、衝撃・閃光・炎熱攻撃を吸収し、装備者の体力と負傷を治癒する。シールダーとして召喚されたため、防御力はさらに向上している。日の出から正午までは日輪の力を借りて赤く輝き、午後は緑色、夕方は藍色、夜間は黒に変化する。バスターバロンではない。乗騎は馬鎧を纏い、完全武装した巨漢の主人を乗せて自在に走り、その戦闘力も相当なもの。倒されても魔力によって蘇る。

『赤き鉄騎の護国卿(ロード・プロテクター)』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1-50 最大捕捉:1000

レンジ内に多数の鉄騎兵(アイアンサイズ)を召喚する。鉄騎兵は自律行動する鋼鉄製甲冑で、槍と盾と大剣と槌矛で武装し、鋼鉄製の馬に乗る。サーヴァントに及ばぬものの、主君アイアンサイドと同様に戦闘力と色が変動し、正午には7倍となる。スキル「護国の鬼将」で形成した領土内でのみ行使可能。17世紀の清教徒革命で、オリヴァー・クロムウェルは私財を投じて私設軍「鉄騎隊(アイアンサイズ)」を編成し、国王処刑後「終身護国卿」の地位についたという。

【Weapon】
『無敵鋼人大胆不敵』一式。

【人物背景】
Ironside。イロンシッドとも。アーサー王伝説に登場する円卓の騎士の一人。トーマス・マロリーの『アーサー王の死』(15世紀後半)に「赤い国の赤い騎士」として登場する。彼はアーサー王にも従わぬ剛勇無双の騎士で、全身を赤い甲冑で固め、日の出から正午まで力が増し、正午には七人力となった。ゆえに30年間不敗を誇り、かつてガウェインをも退けた。また、彼の愛人の兄弟がブリテンの騎士に殺された復讐として、ブリテンの騎士を殺しては埋葬もせず木に吊るしており、その数は40人以上にも及んだ。

ある時、彼は西方のシリー諸島の女王ライオネスに恋慕して、その城を2年間包囲し、ライオネスの姉妹ライネットがアーサー王に助けを求めに来た。
するとガウェインの弟で台所の下働きをしていたガレスが立候補する。彼は道中で黒い騎士ペルカルド、緑の騎士ペルトレープ、赤い騎士ペリモネス、藍色の騎士ペルサントを次々と討ち破り、「赤い国の赤い騎士」アイアンサイドと決戦を行った。ガレスは日中に彼と戦い、正午を過ぎて午後になっても決着はつかず、ついに夕方になってアイアンサイドを打ち倒した。

アイアンサイドはガレスに事情を話して許しを請い、ガレスは彼を許して自分の部下とした。ライオネスは自分を救ったガレスの妻となり、アイアンサイドは彼女に損害賠償をした。ガレスがアイアンサイドとその部下を伴ってブリテンに帰ると、アーサー王は喜んで彼らを臣下の列に加え、「円卓の騎士」の一人としたのであった。その武勇は衰えず、馬上槍試合ではボールスやラモラックとも互角に戦い、メレアガンスが160人の騎士を放った時はペレアスと共に10人の騎士を率いて奮戦したという。

「赤い騎士」という存在は、アーサー王伝説の様々な話に登場する。クレティアン・ド・トロワの『ペルスヴァル』では、アーサー王から黄金の盃を奪った赤い騎士イテールがおり、ペルスヴァル(パーシヴァル)が彼を殺してその赤い鎧を奪い取ったとある。ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハの『パルチヴァール』にも見える。ガウェインやガラハッドも一時「赤い騎士」と呼ばれており、ユーウェインが倒したエスクラドスも「赤い騎士」であったという。

アイアンサイド(鉄面、鉄騎、勇敢な者)という人物は、マロリー以前には1400年頃イングランドの『カーライルのカール』に「アーサー王に仕える円卓の騎士」として見える。彼は巨人やドラゴンを退治した勇士で、常に武装していることからその名で呼ばれ、ファヴェルハンドという馬に跨り、「緑の騎士」を子に持つとされる。

豪放磊落なガレス大好きおじさん。ランスロットやパーシヴァル、ガウェインらとも同格の猛将。独立領主であったため、アーサーも同輩程度にみなしている。甲冑の下は赤褐色の肌に赤い体毛、赤い瞳の歴戦の老騎士。身長が3mもあり、横幅と筋肉量も相応。悪には容赦しないが、女性とは戦わない主義。

【サーヴァントとしての願い】
なし。聖杯の探求も面白そうではあるが、弱きを助け強きを挫く方が騎士道的に考えて善。

【方針】
夜間は行動せず、日中に敵を見つけたら戦う。夜間でも敵に遭遇すればやむなく戦う。

【カードの星座】
牡羊座。


【マスター】
キャプテンブラボー@武装錬金

【Weapon】
『核鉄(かくがね)』
錬金術が生み出した超常の合金。見た目は掌に収まるほどの大きさをした六角形の金属塊。使用者の闘争本能に呼応して展開し、使用者独自の形と特性を持った超常の特殊兵器「武装錬金」へと変化する。本能に働きかける事で所有者の治癒力などをある程度高めることも可能だが、多用は身体を酷使し寿命を縮める。破壊された核鉄はひびが入り、一時的に使用不可能となるが、時間が経過すれば自動修復され使用可能となる。

キャプテンブラボーの所有する核鉄は、C(100)のシリアルナンバーが刻まれている。またもう一つ、殉職した部下のものであったLII(52)の核鉄を持つ。後者の核鉄を使った武装錬金は、前者のものとは色やデザインが異なる(アナザータイプ)が、能力や特性は全く同じである。

『シルバースキン』
防護服(メタルジャケット)の武装錬金。特性は「外部からのあらゆる攻撃の遮断」で、衝撃を受けると硬化し、装備者に圧倒的な防御力を与える。白銀色で、テンガロンハット、襟の長いコート、スラックス、長手袋、ブーツで全身を覆う。両眼は露出しているが防御に問題はない。

物理攻撃はおろかNBC兵器や超常のエネルギードレインをも完全に防ぎ、宇宙空間でも内部は無事。六角形の微細な構造体の集合であり、ある程度自由に形を変えられる。防御力を上回る攻撃を受けるとチップ状に分解するが、瞬時に再生するため貫通は至難。二着を「重ね着」することも可能。

攻撃力はないが本人が超人的な格闘術の達人であり、超常の超硬質合金で全身を覆っているため、破壊力は抜群。同じ錬金術で創られたホムンクルスには致命傷を与えられる。霊体やサーヴァントに効くのかは不明だが、核鉄自体が魔術礼装っぽいのと、何より彼の攻撃には尋常ならざる熱い魂が篭っているため、問題なく効くものとする。防御面では、その特性ゆえ超常の攻撃をもシャットアウト出来る。

『シルバースキン・リバース』
シルバースキンを「裏返し」にした状態。着せた相手の「外部へのあらゆる攻撃の遮断」を特性とする「拘束服(ストレイトジャケット)」の武装錬金。対象に強制的に装着させることで効果を発揮し、相手の攻撃態勢に反応して強力な束縛効果を与え、そのまま内圧を強めて圧殺(プレス)することも可能。拘束力はシルバースキンの防御力と同じで、並大抵の攻撃では破壊できない。脱いでいる間は無防備になるが、もう一つの核鉄を武装錬金に変えて防護服を纏えば問題ない。紐状や網(ネット)状に変化させて相手を捕獲することも可能で、30人の怪人を一度に拘束でき、強敵には核鉄を両方使って二重に拘束することも出来る。おそらくサーヴァントの捕獲すら可能。ただ精密に動かすことは出来ず、接触した相手に自動的に装着されるため、標的への射線上に割り込まれるとそちらに装着されてしまう。

【能力・技能】
『13のブラボー技(アーツ)』
人の身でありながら、激しい鍛錬の末に超人の域に至った身体能力から繰り出される技。全貌は不明。素の筋力・耐久力・敏捷性・反応速度も尋常ではなく、跳躍の高度や距離は数十m以上に達し、通常攻撃でも周囲の地面が爆発する。なお錬金術師や魔術師ではなく戦士であるため、錬金術や魔術の素養はない。ある程度の基礎知識を学んだ程度である。

流星・ブラボー脚:天高く跳躍し、落下の勢いで踏み潰すキック。電柱を数十cm地面にめり込ませる。
直撃・ブラボー拳:不意打ち気味に放たれる、岩をも砕くパンチ。
粉砕・ブラボラッシュ:怒涛の勢いで拳の連打を繰り出す。数十人の相手を纏めてふっ飛ばし、余波で大型の邸宅を瓦礫の山に変える威力。
両断・ブラボチョップ:手刀。刀剣の如き切れ味。海を長さ数十m、幅と深さ数mに渡って両断し、数十秒間その中を歩けるほどの威力。
一撃必殺・ブラボー正拳:必殺の正拳突き。踏み込みの余波で地面が爆発・崩壊する。
心眼・ブラボーアイ:鍛え抜かれた己の眼力で、対象を解析する。
悩殺・ブラボキッス:投げキッスを放ち、一瞬だけ女性をちょっぴり魅了する。
退却・ブラボダッシュ:ゲーム版で登場。戦術退却用の高速移動技術で、まるで消えるように逃走する。

【人物背景】
和月伸宏の漫画『武装錬金』の登場人物。アニメでのCVは江原正士。年齢28歳、身長185cm・体重75kg。秘密組織「錬金戦団」の戦士長の一人。戦士として活動する時は常にシルバースキンを纏っている。素顔はやや顎髭が生えた黒髪短髪の男性。強く厳しく優しく、責任感と正義感に溢れた熱血漢で、非任務時はサーフィンやナンパも行うなどノリはいい。割と変人だが、周囲からの信頼と尊敬は厚い。

本名は「防人衛(サキモリ・マモル)」。過去の事件での苦い経験から本名を捨て、「キャプテンブラボー」を名乗る。歴戦の戦士として戦闘能力は極めて高いが、ある戦いで全身に重傷を負い、やや回復はしたものの全盛期には及ばない状態……の、はずである。

【マスターとしての願い】
なし。他人の生命を犠牲にして己の願いを叶える行為は、彼の信念に悖る。

【方針】
聖杯は不要。可能ならば破壊する。生還を望む者は救い、破壊・殺戮・戦闘を望む者は打ち倒す。

【参戦時期】
本編終了後。だが返還したはずの核鉄二つを所有しており、身体能力も全盛期に近い状態。

◇◇◇

キャプテンブラボーは真の男だ。他の登場人物も真の男、黄金の精神、あるいは漆黒の意志の持ち主だ。『武装錬金』はおっさん向け少年漫画のひとつの到達点だと思う。打ち切りになってから復活し、アニメ化したことも含めて。そんなわけでアイアンサイドも武装錬金に出てきそうなやつになった。エピロワにも出演している。

おれが「星座聖杯」に投下した候補作はここまでだ。次から京都聖杯だ。

【続く】

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