ひとふで小説|6-イェダラスカレイツァ:バルヴァリデ[VI]

前章:[I]〜[収録マガジン]

VI

 ふと、サラは改まって礼を述べていないことを思い出し、ヴァンダレに深々と頭を下げ、村長に褒賞を出すよう進言したことを報告した。背後の炎が自分の影をヴァンダレに落としてしまい表情はよく見えなかったが、ヴァンダレは気さくな語り口で謙遜した。
「勝てたから、お礼を言って頂ける立場にあるだけです。負けていたら、皆さんを危ない目に遭わせてしまうところでした。礼には及

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第四話 焼かれた玉座の先を望む男

騎士の兜《マクシミリアン・ヘルム》から噴き出る鮮血を、玉座から降り注ぐ炎が燃やす。
 目を潰され泣き喚く〈鉄の騎士〉が血に伏し、やがて動かなくなったのを確認すると、〈王の公吏〉は鎧通し《メイル・ダガー》の血を拭って鞘にしまった。
 〈鉄の騎士〉は強く、そして強靭だった。だからこそ、幾度殺されても立ち上がり、そして無数の王たちを屠ってきた〈簒奪の王〉を打ち倒し、復讐の誓願をここに果たした。
 焼かれ

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第三話 全てを焼き尽くし、〈祝福の火〉をまとう王

瓦礫の山と化した王城、焼かれた屍体が絨毯のように広がる玉座の間で、玉座と男が燃える。
 燃える玉座に独り佇む〈簒奪の王〉は、崩落した天井から覗く空をぼんやりと眺めながら、溜息をついた。
 靄がかった白煙に覆われた空に、薄い太陽が朦朧と揺らめく。風の哭き声すらない空は無味乾燥で、何の面白みもなかった。
 血の雨が恋しかった。滅んだ世界は、あまりにも退屈だった。
 早く来い──〈簒奪の王〉は、炎に舌を

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星空に ドシっと構えた半月が 実に美しい。

眩く淡い褐色の光が 夜を満たす。

王宮で 落ち着き払って 騎士達を束ねる 女王宛らだ。

間違った指示を出さない優雅な雰囲気を その身に纏っているようだ。

大小に関わらず 判断を下す時は こう在りたいものだ。

緋龍の子ー5minutes story:5分で読めるファンタジー・ショート小説(オリジナル)

幼なじみのシャラが連れて行かれて、丸一日が過ぎた。

アッシュは未だに理由が分からなかった。母親に尋ねても「まぁ……王都の兵隊さんだからねぇ……」と言葉をにごすばかりだ。けれど村では、シャラの出自に関する噂がひっきりなしに飛び交っていた。

ーーあの子はさ、下級貴族じゃなく、大罪人の子だったんだよ。だから兵隊さんが連れてっちまって……。
ーーいや、上級貴族なんだよきっと。盗み出された娘をね、ようや

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【FGO EpLW ユカタン】コスメルのセイバー

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【クラス】
セイバー

【外見】
褐色の肌に多少の髭を蓄えた、陽気な黒髪長身の青年。ドヤ顔ダブルソードさん。戦闘時は例の仮面で顔の上半分を覆う。中世らしく鎖帷子やマントを身に着けているのでさほど違和感はないと思う。愛馬に跨る。

霊基再臨LV1:仮面の額に第三の目が開き、両眼ともども怪しくひかる。縄めいた筋肉が盛り上がる。

霊基再臨LV3:鎖帷子が輝かしいフルプレートア

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ヨーロッパ初の常備軍は銀行機能も持ち、軍事、経済、政治を掌握した。けど一夜にして崩壊。

中世の騎士が気になっていたので
佐藤賢一『テンプル騎士団』を読んでみたのだけど、
この騎士団が想像以上に巨大で強力だったので驚いた。

テンプル騎士団は十字軍がエルサレムを奪還した後、急増する巡礼者たちのために街道の警備をする組織として設立。その後、教皇のお墨付きも得て、免税権だけではなく徴税権や聖堂の建設権など強大な権力と膨大な寄付を得て、あっという間にヨーロッパ初の常備軍(異教徒との戦いのため

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哲学ファンタジー あなたと私のコンメディア 謎その15

謎その15 〈一つにする力〉と〈区別する力〉は、どこで戦っている?

広場は何事もなかったかのように、夕暮れの景色になっていた。

広場の中央にできた水たまりに、オレンジ色の日光が反射している。石戸さんと女の子と僕の三人だけが、広場にとり残されて立っていた。

「〈黒の人〉と〈青の騎士〉は、いつも対立しあっているの」と女の子は言った。

会社の「お天気お姉さん」と「区別さん」と、顔だけじゃなくて、

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ぼっけんさんのカラーイラスト小説物語『レイアムちゃんの物語』

はい! さて始まりました! カラーイラストによるイラスト小説!
まずタイトルイラストから、小説を紡ぎたいと思います! 拍手!

 彼は闇の中に居た、闇の中の暗がりで輝きらしきものを得て、
それが何であるかは詳しく分からないものの、つぶやいた。
「おまえ、光だな? 闇の中に在る僕を照らすつもりか?」

 そう、それは、闇の中に息づく光のようなものだった、
数はいくつも、よく見ると、この闇の壁の中には

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哲学ファンタジー あなたと私のコンメディア 謎その14

謎その14 〈世界のうしろ〉はどこにある?

〈黒の人〉は、暗くなった広場の中へ歩いてくる。白いローブを着た二人の男は見あたらない。

杖についた黄色い石から炎があがり、黒い煙がもくもくと黒雲の中へ吸い込まれていく。

逃げたほうがいいんじゃないだろうか。でも石戸さんと女の子は、じっと立ったままだ。

〈黒の人〉は、僕たちから少し離れたところで立ちどまった。そして、広場の中央のほうを向いた。

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