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「EQ とビジネス、そしてリーダーシップ」Inner MBA 体験記 #15

今回の Inner MBA 講師は 25 年前に出版され、世界中で 500 万部以上売れた『Emotional Intelligence』の著者 Daniel Goleman 。日本語ではEQ - こころの知能指数という題で知られているので、本記事では EQ と表記することにする。

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Q&A メインのセッションだったので、個人的に面白かった質問をハイライトした。

Q: EQ が高い人材を採用する時にするべき質問は?

A: 採用面接は 2 人の嘘つきがいる場。会社を良く見せようとする人と、自分を盛る人。質問では EQ は測れないが、リファレンスを見よう。過去、その人と一緒に働いた人はなんと言っている?

Q: 自分はペースセッター (部下の尻を叩く人) であるが、これは人を焚きつけ、成長させ、目標を達成させるのにいい方法か?

A: ペースセッターはプレイヤーとしてはいいが、方向性が間違ってしまった時に修正が難しい。リーダーはビジョナリーであるべき。目標を共有し、今どこまで来てるかを見せてあげる人。

Q: EQ が低い私の上司とはどう付き合ったらいいのか?

A: EQ の大事なポイントは 2 点。Manage your self & Handle your relationship。他の人をコントロールしてはいけない。まずは自分をリードし、自分のリアクションをコントロールすること。

Q: リーダーとして「思いやり」を発揮する時に気をつけることは?

A: 一番の落とし穴は「思いやりすぎること」。共感しすぎて、相手の苦しみや痛みをそのまま受け取ってしまうこと。共感を示すことは重要だが、依存関係になる必要はない。

Q: これまでの 25 年とこれからの 25 年はどうなる?

A: 25年前は、Emotion という言葉をビジネスの場で言うな、と言われた。25年後... いま、これだけ不確実な時代に 100 年後に向けて計画するというのはおすすめ出来ない。ただ、自分の感情をコントロールし、他人を思いやることがもっと重要になるだろう。

Q: メールを書く時に EQ を示す方法は?

A: テキストオンリーは感情を置き去りにする。まず、すぐに送らず時間を置く、そして、文脈を知らない、関係ない人に文面を見せてみる(Dan の場合は妻に見せるそう)。

Q: 「いい仕事」ってどういうもの?

A: 3E があること。 Excellence 得意なこと、 Engagement 好きなこと、Ethics 目的や任務。

Q: AI と EQ の関係って?

A: AI は行動をクローンできるが、感情面や社会的コンテクストは苦手。例えば病気の時に AI に側にいて欲しい?

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以上、今回は EQ についてのセッションを取り上げた。非英語ネイティブの立場で聞いても簡潔かつ明解な回答が多かった。

余談だが、多国籍企業で働いていると、マネージャー、ディレクター、そして上のエグゼクティブクラスになればなるほど、いわゆる「いい人」が増えてくる。顧客の前でも、そして全社集会のような注目の集まる場での受け答えも柔和で嫌味がなく、簡潔で明快だ。そして、社員はいつしか彼/彼女らを人として好きになる。

これまでは「〇〇って、いい人だよな」という言葉で片付けていたが、これこそまさに 情動的知性、EQ のなせる技なのだろう。もしかしたら彼/彼女らもまた、EQ のトレーニングを受けてそのように成長してきたのかもしれない。

本テーマについてさらに興味のある方は是非『EQ - こころの知能指数』を参照されたい。

次回、Inner MBA 体験記 #15 に続く!




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