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中央自動車道のどこまでも長く長いオレンジモノクロームをくぐり抜けるころには

僕はもう何もかも忘れている

未来から背中を向けたままで迫る忘却

近づいてくるのか近づいていくのか

どっちにしろその顔をうかがうことはできない

目でものを見ようとすればするほど

僕らは光しか見ていないことに気付く

光を集めて輝くきみ

いまではすっぽり自分を覆い隠している

かつてきみが見せてくれたのは

光のなかでもがく影

それは羽ばたき、吠え、横歩きする黒

イメージはいつだって光の届かないところにこそ生まれるもの

暗黒を手探りしたときに初めて形を取るもの

僕の暗黒に指を突っ込んだとき

きみは初めて僕の問題に首を突っ込む

シミ・ソバカスが増えていくきみの皮膚は

光と闇の戦場みたい

でも生きるってそういうことなのだろうから

メラニンの爆発のさなかに僕は思わず笑ってしまう

ペプシカラーのクレーン車を追い越し

ブレザーを着た坊主頭の男子高校生が二輪の黄色い花を手に持って

自転車で駆け抜ける

贈られたのか贈るのか

どっちにしろ彼の願いが届くことを祈る

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