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【キャリコン視点】自己肯定感が上がる映画6選【お勧め】


ドラマ・映画好きなキャリアコンサルタント xyzです。

さて、突然ですが皆さんはどんなふうに映画やドラマを選びますか?


✅監督、脚本家、俳優がすき。

✅ラブコメ、スリラー等、ジャンルから選ぶ。

✅原作がすき。

✅口コミ、評判が良い。

✅なんとなく。


いろいろな選び方があります。
その時の気分に合わせて映画を選ぶこともありますよね。

明るい気分になりたいとか、思いっきり泣きたいとか、スカッと爽快な気分になりたいとか、ロマンティックな気分に浸りたいとか。


今日は、そんな映画の選び方以外にも、キャリコン視点で映画のテーマを選んでみることを提案したいと思います。


自己肯定感とは?


第一回目に選んだキャリコン視点のテーマは【自己肯定感】


ネットでお勧め映画を検索していると

「自己肯定感が上がる映画」

という切り口をよく見かけます。

自己肯定感を上げたい、という思いのある人は結構多くいらっしゃるということでしょうか。


では、そもそも【自己肯定感】って何なのでしょう?

自己肯定感とは、自らの在り方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉であり、自尊心(英語: self-esteem)、自己存在感、自己効力感(英語: self-efficacy)、自尊感情などと類似概念であり同じ様な意味で用いられる言葉である。現在、これらの言葉は多義的に用いられることが少なくなく、結果としてあらゆる肯定的な心理的要素を表現する包括的名称(umbrella term)となっているという指摘がある。

Wikipediaより一部抜粋


自己肯定感は心理学の領域で高い注目を浴びている概念で、研究者によって数多くの定義が提唱されてきたものだけに多様な解釈が存在するようです。

もう少し詳しく見てみると、自己肯定感には6つの感覚が含まれます(分類や表現は諸説あり)。

自尊感情▶︎自分には価値があると思える感覚

自己受容感▶︎ありのままの自分を認める感覚

自己効力感▶︎自分にはできると思える感覚

自己信頼感▶︎自分を信じられる感覚

自己決定感▶︎自分で決定できるという感覚

自己有用感▶︎自分は何かの役に立っているという感覚


この6つの感覚別にピッタリくる(とわたしが思う)映画を紹介してみようと思います。



自尊感情を呼び覚ます映画



マダム・イン・ニューヨーク(2012)

原題は『English Vinglish』

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映画の概要はこちら👇

〈キーワード〉自分軸を大切に

こちらの映画は、自己効力感、自己決定感、自己有用感についても描かれています。こうした感覚のベースにあるのが【自尊感情】だと思います。

自尊感情は、自分軸で自分を認めること。
一方、自己有用感は、自尊感情を持った上で他人軸で自分を認めること、なのではないでしょうか。

インド人専業主婦のシャシは夫や子供達から英語ができないことをバカにされていつも引け目を感じていました。英語は話せなくてもそれ以外にシャシの特技や素晴らしい部分はたくさんたくさんあるのに……。ニューヨークに住む姪の結婚式の準備の為に一人渡米してから、シャシの「冒険」が始まります。

ラストシーンのシャシの英語でのスピーチより。

Nobody can help you better than you. 

あなたのことを助けられる最良の人は自分自身よ。


シャシは自力でコンプレックスを克服してきちんと自尊感情を持つことができた時、他人からもきちんと尊重されるようになったのです。自尊感情から自己信頼感、自己効力感が生まれ、シャシは堂々とした自信に満ち溢れた女性になっていました。

初めは「妻は英語ができないので……」とスピーチをやめさせようとした夫も、シャシのスピーチが終わる頃には彼女の変化に気がつき、彼女への認識を改めるのです。



自己受容感を再認識できる映画

ブリジット・ジョーンズの日記(2001)

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映画の概要はこちら👇

〈キーワード〉「そのままの君が好き」


ありのままの自分を認めるーポジティブな部分もネガティブな部分も両方合わせて自分なんだと愛おしく思える気持ち。すべてを認めることは時に難しいことだけど、自分を否定せず受け入れることが前向きに生きる原動力になるのですね。

ヒロイン、ブリジットは毎日日記をつけています。それもとても正直に。書くことが自分と深く向き合う作業になっているのです。ネガティブな自分の姿にも目を逸らさず書き留めています。
どんなにダメな自分であっても愛を持った目で自分を見つめる余裕のあるブリジット。

キーワードは、ブリジットに思いを寄せる幼馴染のエリート弁護士マークの告白です。



彼の前で萎縮するあまり挙動不審になったり、ヘマをしたり失態を見せたりと不器用なブリジット……きっと内心馬鹿にされているに違いないと卑屈になって自虐的に笑いを取ろうとする彼女へのマークのセリフです。

No, I like you very much, just as you are.

それでも、そのままの君が好きだ。

(これ言う前に彼はかなり彼女や家族のことをディスってます。なのでNoから始まるw)

(上のセリフだけではなく、この映画の原作は英国BBCの人気ドラマ『高慢と偏見』にインスパイアされている部分が多いので、見比べてみると面白いです!)

ついに恋人同士になったパート2の冒頭でも、ベッドで寝ているマークがブリジットにこう言います。

Because I happen to have a very high regard for your wobbly bits.

僕は君のたゆんたゆんしたところも好きだよ。(ぽっちゃり派には嬉しい言葉😆)


自分を大切に思えているから、相手にも大切に思ってもらえるのでしょうね。


自己効力感を高められる映画


ショーシャンクの空に(1994)

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〈キーワード〉不屈の精神

どんなに想像を絶するような過酷な環境にいても、絶望していなければほんのわずかな望みに賭けようと思えるし、何度挫折したとしても「自分にはできる!」「必ずやりとげる!」という確信という名の希望を心の支えにしてまた何度でも挑戦できるのです。

I remember thinking it would take a man six hundred years to tunnel through the wall with it. Old Andy did it in less than twenty.

(小さなロックハンマーで)壁にトンネルを掘るのは600年かかると思ってたよ。それをアンディは20年かからずにやってのけたのさ。




ミッションをやり遂げたアンディから親友レッドへのメッセージ。

Hope is a good thing, maybe the best of things, and no good thing ever dies. 

希望は良いもの、多分最高に良いものだ。良いものは決して消えることはない。

以前、希望について熱く語るアンディにレッドは「希望は危険だ。希望は人を狂わせる。刑務所に希望なんてない」と忠告しました。それに対するアンディの返事でもあります。

アンディにとっては希望はいつ終わるとも知れない刑務所での生活で正気を保つ為に必要なものだったのですね。

【自己効力感】は、単に自分の能力への確信だけではなく、自己信頼感に裏打ちされた勇気と実行力、レジリエンス(困難があっても乗り越えられるという自信)から生まれるのですね。


この自己効力感に支えられて、アンディは不可能を可能に変えてのけたのですから!


自己信頼感が回復できる映画



英国王のスピーチ(2010)

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〈キーワード〉立場が人を作り、人を変える


主人公は後に英国王ジョージ6世となる、ヨーク公アルバート王子。兄デイヴィッドがエドワード8世として即位するも結婚問題により一年足らずで退位したことで、弟(三男)アルバートが思いがけず王位を継承する羽目に。

吃音症というコンプレックスを抱えたアルバートは人前で話すのが苦手。立場上スピーチをしなければならなくなり、言語療法士ライオネルの指導のもと、吃音を克服しようと努力する話です。

スマートでそつがない兄に比べ、アルバートはとても王の器ではないと自他ともに認めるほどの引っ込み思案。アルバートに欠けていたのは【自分を信じる力】。


戴冠式のリハーサルになってもまだ自信を持てないアルバートは自分には王の資格はないと弱音を吐きます。
戴冠式用の玉座にわざと座るライオネルに、普段温厚なアルバートもさすがに怒って言い合いになります。

話を聞け!と怒鳴るアルバートに「聞けって?何の権利があって⁈」と煽るライオネル。

Divine right, if you must! 
I’m your King!!

(王権神授の権利がある)私は王だからだ。


「王にはなりたくないって言ってる奴の言う事なんてなぜ聞く必要がある?」と更に煽り立てるライオネルに対して


Because I have a right to be heard! 
I have a voice!!

私には王たる声があるからだ‼︎


と声を張り上げるアルバート。
自分の立場を強くはっきりと自覚したと同時に、自らの能力に対する自信を取り戻した瞬間でした。



自己決定感を引き出せる映画



ベストフレンズウェディング(1997)

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〈キーワード〉他人任せの人生は後悔する!


この映画では、ヒロインではなく脇役の女子大生キミーから【自己決定感とは何か】を学べます。

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大富豪の令嬢で女子大生のキミーは、大好きな婚約者、スポーツ紙記者のマイケルと早く結婚したいばかりに自分の希望を一切彼に言えずにいます。大学を中退して家族とも離れた土地でマイケルと暮らそうとしていたキミーですが、本心は違って……。

二人の恋路を邪魔しようとするヒロインのジュリアンにキミーの隠していた本心を悪用されてしまい、二人の結婚は直前になって暗礁に乗り上げるのですが……。

主体的に人生を選択すること、幸福は人から与えられるものではないこと。

たとえ同じ結果になるとしても、自分が納得したことならば後悔はないけれど、納得しないままに進むと不安や不満が残ります。不安や不満は自分の心が作り出すものなのですよね。

幸福は【自分で自分の人生をコントロールしている感覚】に比例するものだということをキミーから教えられます。最良の選択というのは後悔しない選択のことかもしれません!


自己有用感に気づける映画

シザーハンズ(1990)

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〈キーワード〉自分らしさ+社会とのつながり


人造人間エドワードは博士が手を完成させる前に亡くなってしまい手だけむき出しのハサミ、という異形の生物です。その姿から人目を避け丘の上の屋敷に引きこもるように生きていたエドワード。偶然屋敷を訪れたセールスレディ、ペグの厚意から彼女の家で一緒に住むことになります。

両手がハサミのエドワードには、見た目も不恰好だし危険だし出来ないこともたくさんあったけれど、そんな彼ならではの特技がありました。

ハサミを使って植木の刈り込みができるのです。ペグの家の植木をティラノサウルスの形にしたのが評判となって近所の家々から植木の刈り込みを頼まれるようになり、町の並木も器用に刈り込んであげて町の人々を喜ばせます。


さらに、ある家のペットのトリミングをしてあげたことで、近所中の犬たちがエドワードにトリミングしてもらおうと連れられて来るように。ペットをトリミングしてもらった飼い主が自分のヘアカットも頼むと、エドワードは瞬く間に彼女の髪をカットしてしまいます。それが評判を呼んで近所の主婦たちの髪を次々にカットしてあげるように。

植木の刈り込みから始まり、ハサミを器用に使うという自分の特技を活かして誰かのために働き、その働きが認められて別の仕事に繋がり、人の役に立てることでコミュニティとの繋がりができていく……マイナスでしかなかったハサミの手が人の役に立てることを知るーこれこそ【自己有用感】ですね。

(しかしエドワードは彼のハサミの手を悪用されて犯罪の片棒を担がされることにもなるのですが……😢)



     ☆          ☆          ☆          ☆          

【自己肯定感】6つの感覚別お勧め映画、いかがでしたか?


今回書ききれなかった作品やドラマもたくさんあるので機会があればまた紹介します。

【自己肯定感】以外のテーマでも、キャリコン視点で選ぶ映画シリーズを続けていくつもりですので、よろしかったらまたお付き合いくださいね。