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【番外編】LEAVES COFFEE ROASTERS

蔵前で待ち合わせた友人と共に、リーブスコーヒーに来た、町工場のような趣のある場所、カフェでも、喫茶店でも、コーヒースタンドでも、研究所でもない、雰囲気は、まさに町のロースタリーだ、友人と二人で豆を選ぶ、友人はエクアドルのフィンカ、僕はコロンビアのエルディビソ、どちらもゲイシャ種のコーヒー、値が張るが、せっかくここまで来たのだし、飲んでみたくなった、

エルディビソ、やはりそれだけのインパクトはある、味わいがあまりに重層的で複雑なせいか、とても濃厚に感じる、酒は分からないと断りつつ、隣の友人がワインのような味わいではないかと言う、たしかに、と思う、するとこっちのディビソが白で、そっちのフィンカが赤、という感じだ、

フィンカはジューシーでフルーティ、エルディビソはスパイシーでフローラル、二人で来てよかった、同じゲイシャ種のコーヒーをこうして飲み比べることができたのもそうだし、時の移ろいとともにまた違った表情を見せるコーヒーの味わいを、飲み、カップを置き、ひとこと、ふたこと、木の葉が落ちるように、言葉にして、交わしあい、時間をかけて味わった経験は、他の何にも代えがたい思い出として、魂の底に、深く刻みこまれた。


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