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トリビュートコーヒー

トリビュートコーヒー、近くをとおるたび看板を見かけて、気になっていた、というか、ビルの三階にあって、そもそも看板しか見えないので、余計に気になっていた、エレベーターを降り、おそるおそるドアを開けると、極上のシックさ、真夏の京都はもう、一瞬でこことは別の、外の世界の出来事になった、カフェというよりはバーだ、雰囲気的に、薄暗い店内、バー的な、お洒落なジャズが流れている、インドネシア、ブルーリントンをオーダー、リフレッシュして、活力やひらめきをもたらしたい、そんなシーンに向いているらしい、いきなりカウンターの正面に座ってコーヒーを淹れはじめるマスター、その距離の近さに、声を出さないよう、静かに驚く、コーヒーが来る、エネルギーの奔流が、火山のように沸き上がる、力強く、スパイシーなコーヒー、コーヒーというよりは、カレーだ、家財道具が放つ木の匂いが、フレッシュなのにどこか懐かしく、僕の心を落ち着かせ、ここに長くいたいと思わせてくれた、真夏のトリビュート(捧げ物)、まさしく、その名がふさわしい、

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