読書録 「母性」湊かなえ
Y0K0です。
知人に勧められてこちらを読んでみた。
気持ち悪かった。
ディスっているわけじゃない。
むしろこんな気持ちにさせる小説に対しての賛辞である。
以下、ネタバレあり。
母親から無償の愛を受けて育った主人公。
彼女の一番大切な人は、母親。
結婚して娘をもうけても、一番大切なのは、母親。
主人公の思考や行動はすべて「お母さんが認めてくれるか」「お母さんが褒めてくれるか」が基準。
承認欲求というのだろうか、依存というのだろうか、
とにかく気持ち悪かった。
この小説は、読んだ誰しもを複雑な気持ちにさせると思う。そういう小説はいい小説だ。
必ずしも気持ち悪い小説ではないと思う。
私が、気持ち悪い、と思ったまでだ。
主人公の母親に対する気持ちが。
なぜ気持ち悪いと思うのか。
私は日常のあらゆる人間関係の中で、依存されていると思うことはあまりものの、相手が私からの承認を求めている、と思うことは多々ある。
そして私が相手が望むような承認をしなかった場合、とてもめんどくさいことになる。
本当のところはわからない。
相手は私の承認なんて求めてはいないかもしれない。私にはそう思っているというだけのことだけれど。
そう思っている私は、承認を求められることに対して強い嫌悪感を持っている。
ただ承認欲求も依存も、自分にも当然あるだろう。
認めたくないのかもしれない。
この主人公が承認欲求と依存性を、自覚なしに垂れ流している姿が見るに耐えなかったのかもしれない。
自分の承認欲求と依存性については、いままであんまり考えたことがなかったけど、この点において自分のことを観察してみようと思った。
承認欲求も依存性も超強かったらどうしよう。
あり得る。
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