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電子書籍について

今では電子書籍は誰でも知っているだろうが、Amazonが日本でKindleのサービスを始めるまでは知る人ぞ知ると言うサービスで、一般的ではなかった。

私と電子書籍の付き合いは普通の人と比べてもかなり長い方だと自負している。

私が電子書籍を買うようになったきっかけはシャープのザウルスにあった「ザウルス文庫」からだ。当時はスマートフォンというほどのものはなく、Windows CEから始まったWindows Mobileか、ザウルスがPDAとして使われている頃だった。この画面で読むための書籍サービスがザウルス文庫だった。そして北米でKindleが始まったものの日本では始まらず、仕方ないので私が手を出したのはSony Reader Booksだった。このサービスはXperiaにはアプリが入っているので知っている人も多いだろう。

私はサービス開始に会わせて発売される専用端末をヨドバシカメラで予約して出勤時に受け取ってから出社したものだ。翌日、これを読みながら通勤していたら、電車の隣に座った女性が興味深げに覗き込んできた。そしてe-inkの書き換えに思わず「おー」と声を漏らしたことがあった。これで興味をもってもらえたなら何よりと思った。

Kindleと同時期に楽天もKoboを立ち上げたが、私はAmazonをよく使っていたこともあり、Kindleを選んだ。当時は「サービスインに何冊揃えられるか?」が注目され、楽天は著作権の切れた本を集めた「青空文庫」を使って水増ししたのが指摘されたりもした。……なつかしい。

この辺りになると「自炊」という文化が生まれてきた。自分の所有する本をスキャンして、PDFなどのファイルにすることだ。私も引越しを機に持っていた本を処分したのだが、このとき手元に残したいものを自炊した。自炊は漫画はいいのだが、小説は向いてないと感じた。よいスキャナを買えば問題ないのかもしれないが、連続取り込みのできる安いスキャナでは文字が判別できず、結局読み返すことはなくなった。まぁ、一度読んでいるし、どうしてももう一度読みたくなればKindleで買い直そうと諦めた。

やはり電子書籍の良いところは収納場所がいらないことだ。読み終えた雑誌を古紙回収日にまとめて捨てるという手間もない。そしてもう一度読み返したければ、再度ダウンロードすればどこででも手元に戻すことができるのだ。

「やはり紙じゃないと」という人も多い。好みだから仕方ないと思うし、物理的に光源を見つめるタブレットは目が疲れるというのはわかる。しかしそれは明るさやサイズを工夫すれば対応できる。それよりタブレット1台で何十冊もの本を持ち歩けることの方がはるかにメリットがある。

「普通の人は何十冊も本を持ち歩きません」そう言われたことがある。しかし私は通勤中に4~5冊の漫画を読んでしまう。鞄の中に毎日コミック5冊入れて持ち歩くことを考えれば、タブレット1台に集約できることがどれほどメリットがあるか?

さらに電子書籍はたまに安売りのキャンペーンをする。紙の本ではこれはあまり聞かないことだ。サブスクで読み放題というものもある。

どんなサービスもメリットを得られた人の勝ち(価値)だと思う。



ゲーム業界に身を置いたのは、はるか昔…… ファミコンやゲームボーイのタイトルにも携わりました。 デジタルガジェット好きで、趣味で小説などを書いています。 よろしければ暇つぶしにでもご覧ください。