憧れと落胆とその先。
小学校6年生の頃だったと思う。
ポートレート撮影ごっこをして遊んでいた。
まぁ、その頃はポートレートという言葉すら知らないのだから、単なるモデルとカメラマンごっこ。
私はファッションが幼い頃から好きで、気の合う友人と私の服をクローゼットから取り出し全身コーディネートをしてモデルっぽいポーズと構図を考えながら、写ルンですを使い、私の部屋で撮るという、何とも小学生が行うにはシュールでちょっぴりマセている遊びだ。
実際にコーディネートを考えて、撮影するのは楽しかった。
憧れていたスタイリストやアパレル業界の仕事に少し近付いた気がしていたのだろうか。
子どもというのは本当に単純で真っ直ぐだなと思う。そして、バカバカしい事に、一生懸命だ。
印刷に出して返ってきた写真は
思ってたんと違う、、、。
それは、今考えると当たり前なのだが、幼い頃の私たちには不思議だった。
もっと良い感じに撮れてたはずなのに、、、。
何度かチャレンジして同じようなことを試みたが毎回失敗に終わった。
その頃の”ごっこ”で遊んだ写真は行方不明だ。
きっと出来が悪くて気に入らないから処分したのだろう。
大人になった今、私は基本的にガチガチのポートレート写真は撮ったりしない。
そもそもそういう機会もないのだけれど
大好きな仲間や家族と一緒の時に
あ、今の瞬間を残したい。
そう思う時にシャッターを押す。
すると不思議といい写真が撮れている。気がする。
その時の空気感だったり、感情だったりが写真に写っているように感じる。
技術も知識も基本的に無いに等しい。
それでも、自分が撮った写真は気持ちを一緒に写しているから、思い出がより一層色濃いものになるような気がする。
この事はずっと大切にしたい。
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