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周辺光量落ちの効果について

あるレンズのレビューでは周辺光量落ちが少ないことが賞賛されるが、かと思えば後処理で周辺光量を落とす加工をしている人も多い。今回はそんな周辺光量落ちについて考えてみる。あくまで今回は考察回なので、ひとつの意見として考えていただければ幸いだ。

さて、周辺光量落ちとは、こんな感じで写真の周辺の露出が落ちている状態のことを言う。

周辺光量落ちは、レンズの特徴として撮って出し段階から着く場合と、後処理でつける場合があるのだが、正直それは見る人側としては分からないので、効果としては同じ。よって今回は同じ事象として扱う。


周辺光量落ちの効果① スポットライト効果

ギャラリーに行って気づいたことなのだが、スポットライトを当てるタイプのギャラリーの場合、展示されている写真の中央付近目掛けてスポットライトを当てるので、見かけ上周辺光量落ちが発生する。スポットライトがないギャラリーやデジタルでの発表の場合、周辺光量落ちをさせると、スポットライトが存在しないのにスポットライトが当たっているかのような状態になる。そうすると、平板な画面に濃淡がついたかのような視覚効果が生まれる。

周辺光量落ちの効果② 中央への目線誘導

周辺光量が落ちていると、当然落ちている部分には目が行きにくくなる。中央付近に主題があり、四隅に重要な物を置いていない場合、中央付近に目線を行かせることで、自然と中央を見させることが出来る。

周辺光量落ちの効果③レトロさの演出

多くの人にとって、昔のレンズは現代以上に周辺光量落ちするイメージがあるので、なんとなくレトロに感じられることが多い。「イメージ」というのが重要で、たとえばアンセル・アダムスのように顕著な周辺光量落ちを発生させずに名作を作った昔の巨匠も存在する。ただ、写ルンですや昔の家庭用カメラでは周辺光量が落ちたし、昔のモニターも周辺が弱かったので、現代の人々の間で周辺光量落ち=レトロというイメージが付いている。ただ気をつけたいのは、この辺りのイメージは国や世代が変わると変化している可能性があること。海外の人の作品が「なんとなく海外っぽい」と感じられるのは、こういった「無意識に共有されたイメージ」が違っているのも理由の一つかもしれない。

あとがき

周辺光量落ちを時々使っていてふと「これはどういう効果があるのだろうか」と思い、作ってみた考察のNoteがこれです。後処理で自由自在に変えられる時代だからこそ、それぞれの技法の効果を考えると作品表現の幅が広がるかなと思いました。

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