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読書「ボクの学校は山と川」 矢口高雄著 白水社 子供に学ばせる前に大人が学ぶべき本

1 この本との出会い
著者が有名になった、漫画「釣りキチ三平」をリアルタイムに読んだ世代です。1973年から連載された少年週刊マガジンではなく、単行本がでるのを楽しみに待って、買って読みました。ちょうどそのころ、近所の川や池でのフナ釣りと、時々、遠出させてもらった防波堤釣りが楽しくてしょうがなかったです。
大人になって、存在すら忘れましたが、友人が復刻版を貸してくれて読んだら、面白くて、漫画を返した後にこの本を読みました。私が持っているのは単行本ですが、後に文庫で復刻されています。

2 本の紹介
秋田の田舎で育った矢口さんが、自然、家族、学校から学んだことが書かれています。読書感想文全国コンクールの課題図書になっており、子供向けのようですが、学ぶべきは、子供の前に大人です。
矢口さんは、私の父親(故人)の世代で、昭和初期の過疎の山村の物語りです。そんな過去のこと、加えて町に住む自分には山村のことなんか、関係ないと感じる人があったら、その感覚を見直した方がいいかもしれません。どれだけ年月が過ぎようとも、場所が違おうとも、自然、家族、学校から学ぶべきことは変わりません。私が、強く感銘を受けたのは、恩師の話しと、母親から火の扱いで厳しく指導された話しです。

3 私も秋田(日本)の山と川を思う
矢口さんの郷里の隣、東成瀬村で大規模なダムの工事が進んでいます。広大な面積の川と森が近い内に、ダムに沈みます。高度成長期なら、許されたかもしれまんせが、この時代に大規模ダム、必要なのだろうか?
山と川は、多くの人の学校なので、それを沈めることで失うことの大きさに、みんな、なんで、気づかないのだろう?気づいていても、言えないのか?自分がよそ者だから、言えるのか?・・・この話はここまでにします。

私なりに、秋田の(日本の)山と川を思い、ダムの工事現場の脇から入山して、周辺の沢を遡行して森に泊りました。2017年と2018年のことです。さらに計画したのですが、コロナで取りやめにして、そのままになってます。ダムができてしまったら、もう、そこには行きたくないです。遡行した川、泊まった森は帰ってこないです。
以下の写真は、沢を歩いた時のものです。「釣りキチ三平」が「イワナの神様」と出会った場所は、こんなところだろうと妄想してます。7月中旬でも、残る残雪が、冬の雪の多さを物語っています。

写真1 穏やかな流れが続きます(一部険しいところもあります)
写真2 川は森は一心同体です


写真3 7月の中旬でこれだけ雪が残ります、この雪が森を作ります
写真4 本書の表紙(著者撮影)

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