読書「エベレストに死す」 長尾三郎著 講談社 究極の自撮り

観光地でも、街でも、時には、偉い人の集まりでも、普通に行われるようになった自撮り(自分撮り)について、書いてみます。

山登りを始めたころ、山関係の本をたくさん読みました。植村直己、長谷川恒男、メスナー・・・・。ヒマラヤも先鋭的岩登りも目指してなかったですが、少し体験した山の世界。ストーリーも、心理描写も面白く、夢中になりました。そんな一冊の本の一枚の写真をずっと忘れないでいます。

加藤保男が1980年に二度目にエベレスト山頂に立った時に撮った写真です。オリンパスのOM-1を自分に向けてとった一枚で、ピントも背景、自分の位置さえも、わからず撮られています。当時のヒマラヤ登山はスポンサーから資金を得ての活動なので、仕事(義務感)で撮ったのでしょうが、自分を表現した究極の”自撮り”です。

スマートフォンが液晶画面側と反対側にそれぞれカメラを搭載し、光学ファイダーでなく、液晶画面で撮影像が見れるようになり、自撮りは、一気にブレークしました。ポーズを決め、顔の表情を確認して撮れるので、たくさん撮ると、違う背景をバックに、笑顔の自分を多産なんて、ことになります。
ここまで、できるようになったので、次は、意識しないで、自分を撮れれば面白いと思います。今すぐには無理だけど、無線技術、脳波センシング技術を駆使すれば、不可能ではないです。何かに没頭している自分、スポーツ・仕事などで疲れ果てている自分。写真で見れば、新しい自分が発見できるかもしれません。


ハードカバーの表紙、文庫も販売されている(著者撮影)


巻頭カラーページ、上がその写真(著者撮影)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?