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読書 「武蔵野・江戸を潤した多摩川」 安富六郎(著)  農文協 科学の視点で歴史検証

1 本書
学術書とも言える多摩川に関する本です。著者の安富さんは、農学博士で、自らの足で河口から源流まで、見て歩いて、自身で撮った写真、新旧の地図、古い資料を交えて、分かりやすく説明されています。

2 本書に関して
多摩川の歴史、特に、玉川上水に代表される河川工事について知りたくて買い求めました。羽村から四谷まで標高差126m、水平距離距離43㎞。江戸時代に、そこに造成された一本の水路は、局所的な数メータ程度の起伏をうまく回避して水を安定して供給しました。水量が過度だと、側壁が削れ、過少だと、砂が堆積して使えなくなる、そんな状況を理解しつくして造られた話しを、ワクワクしつつ読みました。

3 科学の視点で歴史検証
玉川上水の工事は、わずか8ヶ月で、成功したとされています。まともな地図がない、測量技術がない、そんな時代にどうしたのか?神業なのか?
安富さんは、用意周到に準備されていた、過去の上水工事の失敗から学んだ、残っていないが地図のようなものがあったのではと、説明されています。なっとくの推論です。
ちなみに、ブラタモリで、「江戸の水〜江戸の水が東京を潤す?〜」が2021年11月に放送されていますね。私は見てないです。


写真1 本誌の表紙(著者撮影)
写真2 羽村の堰 玉川上水の取水地


写真3 玉川上水の起点(写真1のそば)


写真4 玉川兄弟の銅像(写真1のそば)
写真5 福生市内の玉川上水(秋、マガモが渡ってきた)

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