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「ピリピ人への手紙」=「先ず自らが変われ」三題(アメリカ🇺🇸空母リンカーン、ウェストミンスター寺院の大司祭碑、春風亭柳昇「里帰り」)

 3月5日の尾久キリスト教会の高橋武夫先生の説教。題材は獄中のパウロが書いた新約聖書「ピリピ人への手紙第2章1〜11節」。テーマは『先ず自らが変われ」。高橋武夫先生は、結婚式の司式で、よくこの章の第3節「何事もへりくだった心をもって、互いに人を自分よりすぐれた者としなさい」を語った。この節を世情に喩えてみればの三題。いずれも「自分こそ変わらなければ」という教訓がある。1️⃣カナダ🇨🇦当局と米国🇺🇸空母リンカーンの交信記録が残っていた。カナダから「進路を南15°傾けないと衝突する」とリンカーンに打電した。しかしリンカーンからは「こちらは大船団なので、そちらが南に15°移動せよ」と打電した。お互いにそんな通信を繰り返していて、最後はカナダ側から「こちらカナダのニューファンドランドの灯台である」とのメッセージが返ってきた。気位の高い世界最大の戦力であるリンカーン船団が赤っ恥であった。
2️⃣英国のウェストミンスター教会の大司祭による碑があり、そこに書かれた碑文↓
私は世界を変えようとして変えられなかった。私はせめてイギリスを変えようと思ったが、変えられなかった。私は自分の住んでいる街を変えようと思ったが、果たせなかった。私は自分の家族を変えようと思ったが、変えられなかった。そしてこの時、私はようやく気がついた。自分を変えることができれば、家族も変わっただろう。家族が変われば、街も変わっていったはずだ。街が変われば、イギリス🇬🇧も世界も変わったはずだ。自分は遅すぎた。過去と他人は変えられない。変えることのできるのは未来と自分だけである。
3️⃣高橋武夫先生の親が浅草で寿司屋を営んでいて、お店がハネると、父は映画に、母は寄席に出かけて行った。自分は母の影響を受けたのか、寄席にはよく行く。春風亭柳昇師匠が得意ネタの古典落語に「里帰り」がある。粗筋は、嫁に行った娘・春が一年後に実家に帰ってきた。父親は大いに喜んだが『何故、戻ってきた?』。よくよく聴けば、嫁姑との仲がイマイチだった。そこで父親から娘にアドバイス。「お前に毒薬を与える。これを姑の飲食物に入れれば10分でお陀仏である。しかし1年間はお母さん、お母さんと尽くしなさい。それでないと、お前に嫌疑がかかる」と言われて、嫁ぎ先に戻った娘。一年後に娘が来た時に「いよいよ薬の時だな」と父親が伝えると、娘は「なんのこと?」。この1年間、姑に仕えていたら、姑の方が「お春さん、お春さん」という具合に変わっていた。その日着ていた着物も姑が「実家に帰るなら」と徹夜で縫ってくれたものだった。演出のためのお愛想だったが、結局はミイラ取りがミイラになったとの例えである。父親は『して、やったり』である。


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