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日本人の金融リテラシー

本日の日経新聞の記事でこんなものがありました。

※2024年2月14日日本経済新聞朝刊より

三菱UFJフィナンシャル・グループが資産運用の会社に出資してグループに入れるというものです。

他のメガバンクを見ると、三井住友はSBI証券とネット証券分野を強化し、みずほも同様に楽天証券とネット証券分野を強化していることから、今回の動きも銀行の異業種参入と捉えられていますが今回のは少し色が異なるように思われます。

なぜなら、他のメガバンクはネット証券との連携ですが、今回の三菱UFJの出資は資産運用会社との提携だからです。

そもそも三菱UFJはauカブコム証券というネット証券を持っているため、ネット証券分野にはとっくに参入しています。資産運用会社との提携とは意味合いが違うのです。

ではなぜ三菱UFJは資産運用会社に出資したのか。


最近Youtubeの2ch掲示板動画でよく見るのが、日本人の金融リテラシーの低さです。
新NISAの利用率が6.8%にすぎないのは個々人の判断なので目を瞑るとして、金融広報中央委員会で出題されている、全問正解してしかるべき基本的金融知識を問う問題も、日本人は各問題50%程度の正答率しか出していないのです。

下記は金融広報中央委員会のクイズですよろしければ挑戦してみてください。日本銀行の組織なので怪しいサイトではありません。



日本人は貯蓄が好き。この価値観はいつ生まれたかと言うと、第二次大戦中です。当時の政府は戦費調達のため、国民に貯蓄を強い、そのお金を軍事費に充てていたのです。
そして戦後は同じく貯蓄推奨を行い、復興資金に充てていました。

意外と知られていないことですが、貯蓄というのは目減りします。お札の額面で見るのではなく実際の価値で考えると分かりやすいですが、インフレ時は100円で買えたリンゴが120円に値上がりするわけですから、リンゴの価値は変わっていないので相対的にお金の価値が下がったことを意味します。現金貯金というのはインフレに弱いのです。

私は現在30代ですが、親世代では初任給が10万円単位だったそうです。私の時は20万円でした。つまりここ20~30年でインフレが進み、お金の価値が下がったことになります。


別に「だから投資をしなければだめだ」と言っているわけではありません。投資というと株を思い浮かべる人が多いようですが、ほぼノーリスクの国債や、株よりは比較的リスクの低い投資信託のような商品もあるわけです。

時代が昭和から平成、そして令和と変わり、老後2,000万円問題なんかが取りだたされる今、貯金信仰という価値観から一歩踏み出して資産運用の世界へ踏み出す必要性が高まってきている。今回のニュースから、日本最大手の金融機関はそのように考え、需要が見込めると思ったからこそ運用相談会社への出資に踏み切ったのだと考えた次第です。

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