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あほやん、忖度する(276字の小説)

此処に美味しそな、ケーキと饅頭が有る。
洋菓子と和菓子だ。
「どちらから一つ選びなさい」
と、女上司に上から目線で言われる。
此処は忖度が必要である。

上司はどちらが好きなのかを探らないと、
僕は人の心を読めない男と判断される。
女上司は美人だが冷たい人。
嫌われると厄介だ。

此処は両方を放棄し上司に食べてもらおう
と、決断する。
そして言った言葉が、
「私は、甘いものが苦手で好きでは無いのです」
と、心にもない事を言う。

女上司は、悲しそうに、
「せっかく、私が作ったのに、食べてくれないのね。」
と、目に涙。
僕は、女上司を傷付けてしまった。
僕の忖度は、損をしただけに終わった。


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