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#009. 机端橙積

机は、広くはない。

昔々は「できるだけ広い」を求めていた。たしか2010年頃か。新しい現場が「ほぼ」完全にペーパーレスだった。でっかい構成図があった。紙のほうがいいかと印刷しようとしたら却下された。画面で見てね、と。

その仕事がキッカケで基本的に印刷をしなくなった。小さなメモ帳はしばらく使っていたが、それも消えて「ほぼ」も消えた。

そして机は「広くなくてもいいや」となり、横75cm、縦50cmの、小振りなものに切り替えた。学校(高校かな)の教室でよく見るものくらい。引き出しは付いていないが折り畳むことができる。折り畳むのは4年に1回くらいだけれど。

その面積に、小さいキーボードが2枚、マウスが2匹(たまに3匹)、マグカップが1~3個。広くはない。しかし十分である。

その広くもない机の端にミカンを積んだ。視界の端、オレンジ色が眩しい。長い冬を越すにはポジティブな色が必要かと思う。小さな太陽とも。


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