#008. 肩書高騰
名刺ある?
ちょっとした用事で客先へ伺うことになった。そういえば作ってもらってなかった。使うことがなかったので。そういえば肩書も特になかった。営業さんといっしょに総務さんの席へ。
肩書は?
さぁ?
テキトーに、それらしいので。
テキトーって‥‥。
ああ、そうだ。
なんです?
センスで!
営業さんの決め台詞らしい。私は隣で総務さんの困り顔を眺めていた。技術職っぽい、わかったようなわからないような、それっぽいカタカナでも並べておけば、と、わかったようなわからないようなことを言って丸投げ。
部長。
なにがどうなったのやら。経緯はいまだ謎のままである。昼休みから戻ったら机の上に名刺が10枚。そこに営業さんから声がかかる。行こうか。仕方がないので名刺入れへ。
客先で名刺交換。
部長さん?
そうみたいです。
笑ってごまかす。
営業さんが覗き込む。
部長なの?
そこはスルーですって。
ケラケラ笑いながら、
なに部の?
あー、写真部とか?
場が和んだのでヨシ!
サポート → 甘味 → 脳ミソの栄養 → 記事 → 🙂