偶然は故郷と政府から及ぶ「論衡11」

禍福とは、本人も予想していない偶然から起きる不幸と幸運である。

どんな賢人であっても、これらの出来事は予想できないので回避したり、意図的に発生させたりできない。

意図的に起こる幸運や損害は禍福ではない。

自分で意図的に起こせないのであれば、どうしてそれが発生するのだろうか?

それは、故郷と朝廷、つまり生まれ故郷や住んでいる環境と、政府や所属する組織によって引き起こされるのである。

以下原文と翻訳です。

脩身正行,不能來福;戰栗戒慎,不能避禍。禍福之至,幸不幸也。故曰:「得非己力,故謂之福;來不由我,故謂之禍。」不由我者,謂之何由?由鄉里與朝廷也。夫鄉里有三累,朝廷有三害,累生於鄉里,害發於朝廷,古今才洪行淑之人,遇此多矣。
#「修身正行しても福が来るとは限らず、戦慄し慎み深くしても災いを避けることはできない。禍福は偶然訪れるものであり、幸か不幸かはその時の運によるものである。だからこそ、『得は己の力によるものでないから福と言う。来は自分によらないものであるから禍と言う』と言われる。自分によらないものとは、何によるものか?それは故郷や朝廷によるものである。故郷には三つの累があり、朝廷には三つの害がある。累は故郷から生じ、害は朝廷から発する。昔も今も賢明で立派な行いをする人々が、これに多く出会ってきた。」

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