黄帝内経素問集注(六節臟象論篇9-4)

翻訳

帝王は言いました。「襲しないものはありますか」
(つまり承襲のことですね。木は水を受けて春に君臨し、火は木を受けて夏に君臨し、土は火を受けて長夏に君臨し、金は土を受けて秋に君臨し、水は金を受けて冬に君臨します。五運の気は、交互に承襲しながら支配されます。)

岐伯は答えました。「蒼天の気は、常に変わります。気が承襲されない場合、それは非常と言います。非常ならば変化します。」
(ここで言わんとするのは、蒼天の気は四季の経緯に従う一定の法則がありますが、五運の気は徳や政治による変化や異変、災害があります。もし承襲がない場合、それは反常であり変化が生じます。変化があると民の病や災害が生じることになります。)

帝は言いました。「非常で変化する場合、どうすればよいですか?」

岐伯は答えました。「変化が進行すると、病気が生じます。相手が勝っている場合は症状は軽微ですが、相手が勝っていないものに対しては重篤な症状が現れます。その上、邪気による影響が強まると、死に至ることもあります。したがって、通常の時に変化が生じると症状は軽微であり、その状況に適した時に変化が生じると症状は深刻になります。」
(五運が相互に影響し合っているが、それが常であるというのが気の通常の流れです。しかし逆常が生じると変化が生じます。変化が生じると病気が発生し、例えば春に木の気が主となる時に、急に水の気が入り込むことで風や木の気が変化し、湿った土の気となります。逆に、寒さや冷たさの気が主となる時に、風や木の気が変わって乾燥した金の気となることがあります。その場合、気の変化に勝る気が現れる場合、症状は軽微ですが、逆に勝る気には負ける気が現れる場合、症状は深刻です。さらに、邪気の影響が重くなると、死に至ることもあります。したがって、変化する気が我に勝つ時には症状は軽微であり、逆に変化する気が我に勝つ時には症状は深刻です。)

帝は言いました。「よろしい。私は聞いています。気が結合して形が生まれ、変化を通じて名前が与えられること。天地の運行、陰陽の変化において、万物はそれぞれどれくらいの程度で存在するのでしょうか。」

岐伯は答えました。「非常に深い問いですね。天は広大で、測ることはできません。地は大きく、計ることはできません。大いなる神に問いかけます。その本質を説明してください。」
(太虚遼廓とは、広大な宇宙のことを指し、肇基化元とは、すべての始まりを意味します。万物が創造される源です。五運が天に至るまで続くと言います。真の靈は気を分布させています。坤元は全ての源を総統しており、幽顕が存在する地位にいます。寒暑の変化があり、生命が生まれては消えて行きます。万物がその本質を示しています。だからこそ、大いなる神に問いかけます。ここでの神靈とは、天地の陰陽のことを指しています。天地の陰陽の問いかけの重大さを意味しています。陳其方とは、その要点を説明するということです。)

「草が五つの色を持って生えます。その色の変化は計り知れないほどです。草が五つの味を持って生えます。その味の美しさは極限に達します。」
(草とは五穀や野菜、果物なども含まれます。天が三つの木を生み出すため、最初に草木について説明され、次に昆虫や他の生物に言及されます。草が五つの色を持つというのは、蒼い色で成長し、栄える色で変化し、赤い色で茂る色に変化し、黄色で充実の色に変化し、白い色で収斂の色に変化し、黒い色で粛りの色に変化します。物事が極端になると変化が現れ、その変化は計り知れません。草が五つの味を持つというのは、酸味、苦味、甘味、辛味、塩味です。これらの味が草から生まれ、五つの野菜、五穀、五つの果物、五つの畜産物の美味しさにつながります。その美味しさは極限に達します。)

好みや欲望は異なります。それぞれが特定のものを理解します。
(人々の好みや欲望は異なりますが、五味はそれぞれの好みに合ったものに向かいます。例えば、苦味は最初に心に影響を与え、酸味は最初に肝臓に影響を与えます。五つの気は鼻から入り、心肺に収められます。五味は口から入り、五つの気を養います。したがって、それぞれが特定のものに向かうのです。)

天は五つの気を通じて人を養います。地は五味を通じて人を養います。
(五つの気とは、腥、焦、臭、香、腐のことです。天では気として作用し、したがって五つの気によって人が養われます。地は変化として作用し、その変化によって五味が生まれ、したがって五味によって人が養われます。)

五つの気は鼻から入り、心肺に収められます。五色が輝きを増し、音声が鮮明になります。
(天は高い位置にあり、地の外側を包み込んでいます。したがって五つの気は外の窓から入って心肺に内側に収められます。心肺は陽とされ、心は顔の輝きをもたらします。したがって五色は鮮やかになり、肺は声の主であり、音声が明瞭になります。)

五味は口から入り、腸胃に収められます。味が特定の場所に留まり、五つの気を養います。気が調和し生まれ、津液が相互に作用します。その結果、神が自然に生まれます。
(地は低い位置にあり、天の内側に位置しています。したがって五味は腸胃に収められ、五臓の気を養います。気が味で養われることで、陰陽が調和して生まれ、水と食物が口から入ります。五味には五つの種類があります。津液は各々の道を走り、気と津液が調和し、五臓の神が生まれます。濟公は言いました:神の気は陽性であるため生まれると言われ、津液は陰性であるため成熟すると言われます。)

原文

帝曰:有不襲乎。
(襲、承襲也。木承水而王於春。火承木而王於夏。土承火而王于長夏。金承土而王於秋。水承金而王于冬。五運之氣。交相沿襲而主治也。)

岐伯曰:蒼天之氣。不得無常也。氣之不襲。是謂非常。非常則變矣。
(言蒼天之氣。四時代序。自有經常。然五運之氣。有德化政令。變異災眚之不同。設有不襲。是謂反常而變易矣。變易則為民病之災眚矣。)

帝曰:非常而變奈何?

岐伯曰:變至則病。所勝則微。所不勝則甚。因而重感于邪則死矣。故非其時則微。當其時則甚也。
(五運相襲。氣之常也。反常則為變易矣。變常之氣至。則為民病矣。如春木主時。其變為驟注。是主氣為風木。變氣為濕土。變氣為主氣之所勝。而民病則微。如變為肅殺。是主氣為風木。變氣為燥金。變氣為主氣之所不勝。而民病則甚。因而重感于邪則死矣。故變易之氣至。非其克我之時。為病則微。當其克我之時。為病則甚。)

帝曰:善。余聞氣合而有形。因變以正名。天地之運。陰陽之化。其于萬物。孰少孰多。可得聞乎。
(此複言地氣與天氣相合。而後化生萬物之有形也。五常政大論曰:氣始而生化。氣散而有形。氣布而蕃育。氣終而象變。然而五味所資。生化有薄濃。成熟有多少。終始不同。蓋在天為氣。在地成形。形氣相合而化生萬物。物生謂之化。物極謂之變。物變已成而後定名。此皆天地之運。陰陽之化。然生化有濃薄。成熟有多少。故帝設此問焉。)

岐伯曰:悉哉問也。天至廣。不可度。地至大。不可量。大神靈問。請陳其方。
(所謂太虛遼廓。肇基化元。萬物資始。五運終天。布氣真靈。總統坤元。幽顯既位。寒暑弛張。生生化化。萬物咸章。故曰大神靈問。神靈、指天地陰陽而言。言大哉天地陰陽之問也。陳其方。言其略也。)

草生五色。五色之變。不可勝視。草生五味。五味之美。不可勝極。
(草者。五穀五菜。概及果木而言也。蓋天三生木。故先言草木。而及于昆蟲萬物也。草生五色者。其色為蒼。其化為榮。其色為赤。其化為茂。其色為黃。其化為盈。其色為白。其化為斂。其色為黑。其化為肅。物極而象變。不可勝視也。草生五味者。其味為酸。其味為苦。其味為甘。其味為辛。其味為咸。以草生之五味。而及于五菜五穀。五果五畜之美。不可勝極也。)

嗜欲不同。各有所通。
(言人之嗜欲不同。而五味各歸所喜。如苦先入心。酸先入肝。五氣入鼻。藏於心肺。五味入口。以養五氣。故各有所通也。)

天食人以五氣。地食人以五味。
(五氣、臊焦香腥腐也。在天為氣。故食人以五氣。在地為化。化生五味。故食人以五味也。)

五氣入鼻。藏於心肺。上使五色修明。音聲能彰。
(天位居高。而包乎地之外。故五氣從外竅而內入於心肺。心肺居上為陽也。心榮色而華於面。故使五色修明。肺主聲。故音聲能彰也。)

五味入口。藏於腸胃。味有所藏。以養五氣。氣和而生。津液相成。神乃自生。
(地位居下。而處乎天之內。故五味藏於腸胃。以養五臟之氣。氣得味養。則陰陽和而相生矣。水穀皆入於口。其味有五。津液各走其道。氣和津成。而五臟之神乃自生矣。濟公曰:神氣為陽故曰生。津液為陰故曰成。)

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