みんなが出世したいわけじゃないのよ「論衡4」

王様からすれば、優秀な部下は(裏切らなければ)喉から手が出るほど欲しい存在です。
自分と同じ目標に向かって、自分にはできない才能に溢れている部下は欠かす事の出来ない存在と言えます。

と、上司からすれば優秀な部下は確保したいわけですし、そういった部下は出世させていつまでも傍にいてほしいと思う訳です。
出世すれば給与も増えるし、名誉も高まるし良い事尽くめと思う訳ですが、中には出世に興味がない人もいるわけです。

イメージ的には、世を捨てて山にこもって自分と向き合う感じですかね。

そこまでいかなくても、趣味に時間をかけたいから、あえて忙しくない仕事や、定時で帰れる仕事を選ぶ人もいます。

なので、能力があると言っても、自分から出世しない人もいるってことです。

前回までは、出世したくても、運だったり、上司に気に入られたり、上司の才能が不足してたりと出世できない原因をあげていましたが、今回はそういった出世できる要素を満たしていても、出世しない人がいるってはなしですね。

出世したい人間からすると「恵まれてるのに、ふざけんじゃねぇ」とか思うかもしれませんが、いろんな人間がいるってことですね。

以下原文と翻訳です

以大才之臣,遇大才之主,乃有遇不遇,虞舜、許由、太公、伯夷是也。虞舜、許由,俱聖人也,並生唐世,俱面於堯,虞舜紹帝統,許由入山林。太公、伯夷,俱賢也,並出周國,皆見武王;太公受封,伯夷餓死。夫賢聖道同,志合趨齊,虞舜、太公行耦,許由、伯夷操違者,生非其世,出非其時也。道雖同,同中有異;志雖合,合中有離。何則?
#大才能を持つ臣下が同様の大才能を持つ指導者と出会った場合、その結果は出会ってどうするかにかかります。虞舜、許由、太公、伯夷といった例が挙げられます。虞舜と許由はともに聖人で、同じ時代に生き、堯帝と対面しました。しかし、虞舜は帝位を継ぎ、許由は山林に隠れました。太公と伯夷も優れた賢人で、周の王に仕えました。太公は封地を授けられましたが、伯夷は飢え死にしました。賢人と聖人の道は同じですが、志向は異なり、虞舜と太公は共に行動しましたが、許由と伯夷は違った選択をしました。なぜでしょうか?

道有精麤,志有清濁也。許由、皇者之輔也,生於帝者之時;伯夷、帝者之佐也,出於王者之世。並由道德,俱發仁義,主行道德,不清不留;主為仁義,不高不止,此其所以不遇也。堯溷,舜濁;武王誅殘,太公討暴,同濁皆麤,舉措鈞齊,此其所以為遇者也。
#それは、道には精麤(高低・優劣)があり、志には清濁(純粋・不純)があるからです。許由は皇帝を補佐し、その時代に生まれました。一方、伯夷は皇帝を支える役割を果たし、王の時代に生まれました。両者とも道徳を重視し、仁義を実践しましたが、高位を追求しなかったため、出世しなかったのです。堯は混沌とした時代で、虞舜は清廉でした。武王は暴君を討ち、太公は悪行に立ち向かい、二人は混沌した状況に適切に対処したため、成功を収めました。

故舜王天下,皋陶佐政,北人無擇深隱不見;禹王天下,伯益輔治,伯成子高委位而耕。非皋陶才愈無擇,伯益能出子高也,然而皋陶、伯益進用,無擇、子高退隱,進用行耦,退隱操違也。退隱勢異,身雖屈,不願進;人主不須其言,廢之,意亦不恨,是兩不相慕也。
#それゆえに舜は天下を統治し、皋陶は政治を助け、北の人々は隠れている人でも見えない場所はなかった。禹は天下を統治し、伯益は治安に貢献し、伯成子高は耕作に専念しました。皋陶や伯益の能力がなければ、子高の出世もありませんでした。しかし、皋陶と伯益が出世し、無擇や子高は隠れて暮らしました。出世と隠れることの力は異なり、隠れても出世しないということもあります。隠れている者は進むことを望みません。指導者は彼らの言葉を必要としない場合、彼らを排除し、彼らはそれに対して怒りません。これは、互いに興味を持たない例です。

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