本を読んだ その4
今年のGWも外にでるのをためらいますね。加えて天気が最悪なのでおとなしく室内に引きこもるのが正解。
今回読んだ本はこちら
氷菓シリーズが好きなので同じ作者の完結型を読んでみようと思って手にとった作品。初版は平成21年となっているので2009年、10年以上も前なんですね。書店で先月買ったときにポップ付きの平積みだったので最近刊行されたのかと思いました。
あらすじは省略。
総合評価 ★★★★★ 5/5
これですよこれ
いいところ
・起承転結のバランスが絶妙。ダレる箇所がなく読んでいて気持ちいい。
・金沢を舞台としており聖地巡礼しやすい。
・主人公リョウとサキの立ち回り。物語が進むにつれて霧が晴れるような感覚を与えてくれる。
よくないところ
・感の鋭い人は先読みして展開を当ててしまうかも。そこも「やっぱそうだよな!」と捉えるか「こんなもんか」と捉えるかで変わる。
・金沢の地形ありきで物語が進む。こっち行ったら次はこっちやな、が的中する。
・地の利を活かすなら方言キャラがいても良かった。
自分は文庫本でも2回もしくは3回に分けて読むことが多いが今回は休むことなく1回で読み切ってしまった。大きく場面転換することなく展開するのもそうだが早く違和感を晴らしたい思いで読んだら結果そうなってしまった。総じて読みたい、読ませるミステリとして晴れ晴れとした気持ちで終われた1冊。
巻末の解説にもあるが本編最後の2ページほどは完全に読み手に展開を任せるスタイルなので自分はほほぉ。。。で終わったが他の人が読むとまた違った感想を抱くのだろう。作者が物語の終わりをこうだと決めつけずにあえてぼかすところは米澤穂信氏の武器であり読了後の充足感を与えてくれるので本当に好き。
他のミステリは「いやそうはならんやろ」の部分がどこかにあるがこの作品にはない。もちろん物語の柱である「2人いるパラレルワールド」を否定してしまうとどうにもならんのでそこはフィクションで楽しまないといけないが、読んでいて気持ちいい作品なのは疑いようがない。
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