真実の10メートル手前  米澤穂信

「さよなら妖精」の登場人物、太刀洗万智は新聞記者となり、フリーの記者となった。太刀洗が取材した事件の短編小説集。
事件の取材がテーマなので、「日常の謎」とは違うのですが、取材対象の僅かな情報から事件の真相を見抜いていく太刀洗の様子がリアルに描かれています。どの人にもちょっと距離を取り接している癖の強い太刀洗の性格がよく描かれています。
「王とサーカス」より後の出版ですが、どちらを先に読んでもよいと

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米澤作品

今日は以前私が読んでいた作品を紹介させてください。

「ボトルネック」「儚い羊たちの祝宴」
米澤穂信 著

米澤先生といえばアニメ化されたデビュー作の「氷菓」が有名ですよね!

初めは知人からの勧めで「ボトルネック」を拝読したのですが、物語が日常から非日常に転換していく中で主人公が最後に考え、行き着いた答えがとても衝撃的だったのを今でも覚えています。

それから米澤先生の他の作品もみたいなーと思い

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さよなら妖精 米澤穂信

雨の降る中、主人公、守屋路行は同級生の太刀洗万智と二人で雨宿りする一人の少女マーヤと出会う。マーヤは、ユーゴスラヴィアから来た、父が仕事する間父の友人宅で暮らす予定だったのだがその友人がすでに亡くなっていたため困っていた。守屋たちは、宿泊業を営む同級生の白川いずるを紹介し、マーヤはいるずの家で手伝いをしながら暮らすことになる。
2か月後、マーヤはユーゴスラヴィアに帰っていくがその頃、ユーゴスラヴィ

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『ボトルネック』米澤穂信

ボトルネック。

大学生のときに読んで、夢中になったけれど読み終わった後、一週間落ち込んで立ち直れなくて、以来ずっと読み返すのを避けていた作品でした。

アニメ氷菓が放映されていた頃、他の米澤作品を読みたいというひとにおススメしたことがありますが「メンタルが大丈夫なときに読んでね」と念押ししてたなあ(笑)。

ふつう、つくりものである小説を読んでヘコむ、というのはあまりないのだと思うんですがそれだ

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春限定いちごタルト事件 米澤穂信

小市民シリーズ第1弾です。
最近は、米澤氏の作品をガンガン読んでいるのでしばらく続きます。

無事に高校に合格した小鳩くんと小佐内さんコンビ(でいいのかな?)が繰り広げる小さな謎解き物語かな。
中学時代に何かがあり、お互いに小市民(要するに目立たず、地味に過ごす)を目指す二人ですが、頭脳派の小鳩くんと行動派の小佐内さん、二人が手を組むと最強コンビになりそうですが…そこは小市民こじんまりと事件を解決

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友情の青春に灯る謎と功罪――米澤穂信『本と鍵の季節』

暇を持て余す図書委員二人の解き明かす、功罪潜む日常の謎――。
 男子高校生二人の友情、そして日常と学園に埋まる青春と謎の繊細な陰影に、痛みと切なさを覚えながらもありしいつかを追想させられます。

最初に

 著者の米澤穂信先生と言えば日常の謎というジャンルの推理小説の名手として知られています。代表的なものを挙げると、京都アニメーションにより映像化もされた『氷菓』の物語群、〈古典部シリーズ〉のような

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王とサーカス

『真実の10メートル手前』が面白かったので、同じシリーズの2冊『さよなら妖精』『王とサーカス』を読みました。
以下、本の感想です。



『さよなら妖精』では、ユーゴスラビア紛争(1991年~)、
『王とサーカス』では、ネパールの王宮で起きたナラヤンヒティ王宮事件(2001年6月)が描かれている。

普段、身の回りのこと以外にまで目が向けられない自分にとって、『さよなら妖精』『王とサーカス』の

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追想五断章 米澤穂信

大学を休学して伯父の営む古書店に居候する菅生芳光は店の客として訪れた北里可南子から亡き父の書いた小説の収集を頼まれる。報酬目当てに引き受けた芳光だったが情報を集めるうちに小説の謎に取り組むようになる…。

以下、ネタバレ注意です。

ミステリー小説は読んでいると謎が出てその謎解きに沿って物語が進んでいくのですが、この小説は「謎」がはじめのほうではわかりません…。小説を集めるところがハードボイルド系

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私の推薦図書

私が推薦する図書は、米澤穂信さん著の氷菓です。
私が小学生だった時にこの本を読んだ事が米澤穂信さんの作品にはまったきっかけでした。

いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実──。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に

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