本を読んだ その3

年末は読書がはかどりますね。

今度こそ本屋で調達した新作を読みました。
とは言っても書籍自体は最新ではなく、少し前に出版されたものを新装版としてテコ入れされて売られていたものになる。尤もその事情はポップを見てもわからず帯にも超おすすめ、ぜひ読んでください!というふうに書かれていただけなのであまり深く考えずに手にとってレジへと向かった。

で、今回選んだ本はこちら

崩れる脳を抱きしめて

ミステリー+ラブストーリーは私の好物なので特に躊躇せずに選んだ。
筆者の知念実希人氏の他作品を読んだことがないので文体や構成の特徴といった事前情報がない。新鮮な気持ちで読めるので良い。

あらすじ紹介は省略します。ネタバレ注意です。



総合評価 ★★★★☆ 4/5
ボリュームもさながら「読ませる」文で物語を楽しめた

いいところ
・主人公とその人間関係を丁寧に描きつつ心象を平易に書いているので感情移入しやすい。つまり読んでいて気持ちいい。
・題材が医学なので専門用語ふんだんに使われると萎えるなぁと思って読みすすめるが最後まで物語に必要最低限の用語略語でまとめてある。
・キャッチコピーに違わず最後のスパートのかけ方が面白い。散りばめられた伏線も読み返してああここはこうだったのかなるほどーと思える。

よくないところ
・表現がわかりやすすぎてラノベ寄りになっている箇所が多い。私は読みやすさ重視なので気にならないが重厚感を求めると物足りない。
・医学+妄想に寄せると「さよ教」が頭をよぎる。オマージュなのか?
・主人公の情緒が不安定。研修医といえ医者が患者に怒鳴っちゃいかんでしょ

久しぶりにこれでいいんだよ、っていう作品に出会えた気がする。
ヒロインの設定が病弱だけど陽気黒髪ロングっていうどっかのアニメに出てきそうなイメージしやすい設定なので挿絵があったほうがポイント高い。あと妹。

この作品は

今日を僕と一緒に生きてください

この一言に尽きると思います。
一生に一度は言ってみたいセリフ。

同じ筆者の作品を漁ってみても良いかも知れない。

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