明日は晴れ予報だ。そんなワクワクでビールを飲んで寝た昨夜。朝起きると重い身体に加えて二日酔い、それに腹痛も。勿体無いからとアルベルゲの朝食のパンとオレンジジュースを詰め込んで、食べきれないケーキは紙に包んで出発だ。

スペインの朝は肌寒い。まだ陽が昇り切っていない7時過ぎ、朝陽を背中に歩き始める。サンティアゴは西の方角にある。つまり毎日朝陽を背中に歩き続ける。バックパックにぶら下げた洗濯物がよく乾く、初めての太陽。

時間が進んで太陽が昇って来ると暑さが回ってくる。昨日まで雨は嫌だとか言ってたクセに今度は暑い暑いと言い出すから人間は勝手だ。

歩いていると教会を見つけて入る。疲れてくると神様でもなんでも、何かに救いを求めたくなる気持ちも分からなくない。人はいつだって不安があって、疲れたりするとそれを抑えられなくなる気がする。

なんだか今日は何を考えてるのか自分で分からなかった。こんな歩いて何になるんだろう…なんて思ったけど、この旅が、このスペイン巡礼が価値あるものだったか否かは未来の自分が決めること。今の時点でどうこう考えずに、未来のために写真に残して、文字に残して歩くことが今やるべきことなんだろう。