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信用を行動に

福島に住んでいた時に通っていた美容室。
店内は2席と奥にシャンプー台が1つ。
夫婦で営んでいて、
旦那さんの方がカラー、カットを主に。
奥さんはカラーのサポートやシャンプー、ブロー、受付を。
店内はレトロなディズニーもので統一されていて、2人の趣向が垣間見える。

初めて行ったのは短大の頃だったから、
社会人時代も含めて約3年、お世話になっていた。

連絡先はお店の電話番号しか知らないし、
お互いのSNSも勿論、知らない。
そこで一線を超えないのもまた、良い。
近いけど、遠いみたいなのが理想だと思っていて。
そういう表面上じゃなくて、しっかり目を見て、心で話してくれる。

カラー剤が浸透するまでしばらく時間を置く。
私の席の後ろに自分の作業椅子を持ってきて、
鏡越しで話してくれる。それが苦ではないことは最初からお互い、なんとなく分かっていた。

ある時、夢の話をした。
「カフェが好きでよく行ってるんです。全然ビジョンも何も無いですが、漠然と、自分の好きなカフェ作れたらいいな〜っていうのが夢ですかね!」

接客業で、色んなお客さんと毎日接していれば、
こんな夢の話も出てきたりして、定型文のように、
「叶うといいね!楽しそうだね!」
この誰も傷付けないような言葉が適切だろう。

しかし、先に言ったように、
この2人は心で話してくれる。

「お店を開くにはね、」

"まず、資金調達から始まる。勿論その為の貯金もしていたけれど、僕達は日本政策金融公庫というところから借りて、今も返済しながら営業している。
銀行からも借りれるんだけど、利子が高く付くんだよね。
借りる時は、いくらお金が掛かって、いくらお金を生むのか。これを示す。
あとは、自分がこれだけお店をやりたい!っていう熱意を見せること。
レポートみたいに纏めて提出した。
あの時は寝ずに向き合ったりして、追い込まれてたなぁ。笑
無事に審査が通って、借りる事が出来て、内装とか道具を購入して、結局手元に残ったお金はほぼゼロだったり。
照明や壁、は東京にある、
GORILLA COFFEE
というカフェからインスピレーションを受けていて。
絶対に譲れない!みたいなところは、担当の人と打合せで上手くいかなかったり。。
ここの部品こんなにお金かかるの?!
みたいな事もあったりして。
あ、このアンティークの雑貨。
福島の〇〇っていう雑貨屋で購入したんだけど、そこの店主さんが少し変わっていて、
「いらっしゃい」以外何も言わないの。押し売りもないし、喋りかけて来ないから、逆になんか緊張するんだよね。
(みたいなボーナストークも。笑)

ちなみに山下さんが座っているこの椅子は、
どうしても欲しくて
○○万くらいしたけど買っちゃったんだよね。

でも、本当に最初はキツかったな〜。
予約も入らなくて、お客さんが来ない日は怖かったし。

もうひとつ、大事なのは店の名前。
人は、最初の言葉の母音が「あ」になる言葉は耳に心地良く入ってくる。
だから、この店の名前も少し意識してるんだよね。

僕たちが伝えられる事はなんでも伝えるし、
応援したくなっちゃうんだよね "

端的に纏めてみたけれど、お店を開くということに関する情報を毎回行く度に教えてくれた。
まだ社会に出たばかりの私に、ふと、口にした夢に真剣に向き合ってくれた。
掛かったお金や、内装の人と揉めたエピソードも、下積みの時から自分のお店をやると決めていたことも。

(お客さんにここまで話してくれるの?!)
とその時は思ったが、その話と引き換えに、
2人に対する信用を私に植え付けた。

2人がオススメしてくれた東京・九品仏にあるカフェ。

"そこはね、置いてある家具が全て購入できる。
元々マンションだったから、見た目も含めて、すごく分かりにくいところにあるんだけど、
東京に住んでる時、よく行ってたんだよね。
是非山下さんも行ってみて下さい〜"

2年前くらいに教えてもらったが、
しっかりと頭に刻まれている。

D&DEPARTMENT

実際に行って、食べて、過ごした。


(カフェご飯食べた!って感じ。2階は家具や雑貨を販売していて、なんだか楽しかった!)
信用がある人がオススメしてくれるところには絶対行く。だってその人自体が素敵だから。

経験してきた人達が紡ぐ言葉には
説得力と、信用が乗っている。

今は福島を離れて、中々行くことが出来ないが、
去年の12月、この美容室に行った時は、今働いている店のお菓子を持って、髪を染めに、会いに。
予約の電話をした時には、
「福島を出た後のこと、どうしてるかなーって、気になってました。当日お話出来るの楽しみにしてます」と。
頻繁に行けなくなっても、しっかり記憶して、
"私はあなたの味方ですよ"というスタンスで接してくれる。

次も、成長している自分で行きたい。
里帰りのような気持ちで。

読んで頂き、ありがとうございました!

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