見出し画像

Fantom Vibration と電話する乳首

Fantom Vibrationとは

スマホに電話がかかってきているのに気づかないことって誰でもあると思うんですけど、逆に、マナーモードにしているスマホが震えたと思ってポケットから取り出したら、電話もメールもその他のメッセージも通知も、一切何も来ていないってこともあるでしょ?

あれ、一体何なんでしょうね?

知人が教えてくれたのですが、あの勘違い現象にはファントム・バイブレーション・シンドロームという立派な名前がついているんだそうです。訳すとしたら“幻覚振動症候群”みたいな?

でも、いかめしい名前がついている割には、ものすごく頻繁にあるのでなければ気にしなくて良いとのことらしいです。

ただ、そう言われると余計気になりません? なんであの現象が起こるのか?

僕は音が鳴るのが大嫌いなので、スマホは常にマナーモードにしています。でも、かつてシャツの左の胸ポケットに入れていた頃にはそんな勘違いは全くなかったのです。

逆にそのころ困っていたのは別の現象で、ポケットに入れていると左の乳首が布越しに画面にこすれて勝手にあちこちに電話をかけてしまうことでした。

電話する乳首

嘘だと思うでしょ? でも、嘘じゃないんです。しかも、結構頻繁にありました。

ひとつ例を挙げましょう。

ある休日の午後、会社で以前同じ部にいたA君から何度も着信履歴がついていることに気づきました。彼とはかつて同じ部で働いていたのですが、当時はお互い全然関係のない部署に異動していたので、仕事上の電話がかかってくるとは思えません。

一体何の用件だろう?と僕は少し首を傾げました。

すると突然、ひょっとすると当時同じ部で働いていたT君が死んだとか逮捕されたとかじゃないかという不吉な予感がしてきて(何故そう思ったのかを語り始めると長くなるのでやめておきますw)、慌ててA君に電話をしたんです。そしたら、電話に出た彼がいきなり「はい、なんでしょう?」と言うんですよね。

「なんでしょう、って。電話もらったからかけたんだけど?」
「いやいや、そっちから何度も何度も電話をもらって、出たら応答がなかったので…」

え? と思って自分のスマホをもう一回よく見てみると、これは着信履歴ではなくて発信履歴だったんです。確かに3回A君に電話をしていました。

当時A君の名前は50音順の「連絡先」のトップにありました。だから選ばれたのでしょう。誰が選んだかと言えば、僕はスマホをポケットに入れたままで一切触っていないので、僕ではありません。

ならば誰か? その状態でスマホの画面に触れられたのは僕の左の乳首だけです。僕の左乳首が布越しに行った仕業としか考えられないじゃないですか。

その後もそんなことが何回かあり、僕の乳首がそんな悪さをするのだという話を妻に語ったところ、妻も「そんなことはあるはずがない」と信じてくれませんでした。でも、僕がその話をしている最中に突然彼女のスマホに電話がかかってきたのです。

で、彼女がスマホを取り出したところ、それは僕からの電話でした(笑)

僕は彼女の隣りにいて、スマホをずっと左の胸ポケットに入れたままだったので、またしてもこれは、と言うか、今度こそ間違いなく、電話をかけたのは僕の左の乳首です。その時通話履歴のトップにあったのが妻の番号だったので、今度はそれを選んだのでしょう。

どうやら僕の左乳首は僕の右手よりよく働くようです(笑) 言っておきますが、僕はじかにシャツを着たりせず常にアンダーシャツを着ています。なのにその2枚の布越しに乳首が電話をしてしまうのです。

Fantom Vibrationの始まり

さて、スマホを左の胸ポケットに入れていた頃は、そんな困ったことがよく起きたのですが、逆に震えていないのに震えたと勘違いすることはなかったんですよね。

ところが、ある日突然心臓が痛くなりまして。──所謂いわゆる狭心症ですね。

で、医者に「胸ポケットに四六時中スマホを入れていたのが原因です」と言われたわけでも何でもないのですが、自分ではどうしてもそんな気がして、以来胸ポケットからズボン(パンツと書くと誤解が生じるおそれがあるのでズボンと書きます)のポケットに移したのです。

するとファントム・バイブレーションが始まりました。僕の左の乳首は勝手に電話をかけるけれど、どうやら僕の左の太ももは電話がかかってきたと勝手に思うようなのです。

逆に電話に気づかない

そして、そんな勘違いがあるのと引き換えみたいに、今度は電話が震えているのに気づかないという現象も出現し始めました。不思議ですよね。

ズボンのポケットと言っても僕は尻ポケットには絶対に入れません。それはられたり、座っている状態で滑り落ちたりしても気がつきにくいからです。

というわけでズボンの左側の前ポケットに入れているのですが、このポケットがズボンのどの位置にあって(ズボンによって微妙に違います)どういう形状なのか(ウェルト・ポケットなのかパッチ・ポケットなのか等々)、どのぐらいゆったりしたズボンか、そして、バイブレーションが始まった時に自分がどういう姿勢でいたかによって、たまに振動が太ももに伝わらないことがあります。

多分そんな時に気がつかずに電話に出ないという事態になるわけです。そう、乳首が電話をかけたり太ももが震えていない振動を感じてしまうメカニズムは解明できませんが、震えているのに気づかないほうはこうやって理路整然と説明がつくのです。

しかし、説明はつくのだけれど、これも困ったことであるには違いありません。

メカニズムは考えない

でも、まあ、僕は電話なんてたまに気がつかないことがあっても良いんじゃないかな、とも思っています。もちろん、気がつかなったために仕事で大失敗したり、親の死に目に会えなかったり、みたいなことはたまにあるでしょうが、ま、そういうもんだから仕方がないと思っています。

とは言うものの、根が真面目なものですから、かかってきたらサッと出ようという気持ちはやっぱりどこかにあって、自分では意識していないけれど、それで自然と神経を尖らせているような面はあるのかもしれません。

あ、それで逆に時々ファントム・バイブレーション・シンドロームが起きてしまうのかな?

まあ、でも、気にしても仕方がありませんよね。はい、お互い気にするのはやめましょう。

震えたと思った電話が震えてなくても、逆に震えている電話を取り損ねても、あるいはあなたの乳首が勝手に誰かに電話をかけても、決してあなたが悪いわけではありません。

スマホって時々そういうことがある機械なんだと、最近では僕はそういう風に考えるようにしています。

この記事を読んでサポートしてあげても良いなと思ってくださった奇特な皆さん。ありがとうございます。銭が取れるような文章でもないのでお気持ちだけで結構です。♡ やシェアをしていただけるだけで充分です。なお、非会員の方でも ♡ は押せますので、よろしくお願いします(笑)