山本英治 AKA ほなね爺

毎日放送で働いてました。今はただの爺です。 なんか変なもんが好き、なんの変哲もないもの…

山本英治 AKA ほなね爺

毎日放送で働いてました。今はただの爺です。 なんか変なもんが好き、なんの変哲もないものも好き。 モットーは「我悩む、故に我あり」 http://trivial.way-nifty.com/trivialities/ https://twitter.com/honane

マガジン

  • ことばと生き方──ことばに対するこだわり

    若い頃から「ことば」というものに興味があり、2001年から2018年まで“ことばのWeb”を主宰していた流れで書いた文章を集めています。

  • 君はいつごろミュージックシーンに登場したか

    人生と音楽の関わり合いについて書いています。

  • Written in English

    These are the rough translation of what I wrote in Japanese here on "note"

  • 小説とかドラマとか映画とか

    他のマガジンに含めていた映画評や書評などを抜き出してここに独立させました。

  • 自叙伝──僕はこんなことを考えながら育って、生きてきました

    自分が小さかったころから思春期を経て、大人になるまでにいろいろ考えてきて、大げさにいうと生きる指針みたいなものになったことについて書いています。

最近の記事

日本語空耳アワー ~歌詞とメロディのイントネーション

もう番組自体が終わっちゃいましたけど、『タモリ倶楽部』の「空耳アワー」、面白かったですよね。大好きなコーナーでした。 で、あれは外国語が全く違う日本語に聞こえてしまうという例でしたが、いやいや、日本語の歌でも全く違う日本語に聞こえてしまって大笑いってこと、ありますよね? 僕は年寄りなので古い歌ばかりで申し訳ないですが、例えば太田裕美の『木綿のハンカチーフ』(作詞:松本隆、作曲:筒美京平、1975年)では、「都会で流行りの 指輪を送るよ」と言われて、「いいえ 星のダイヤも

    • それは「言葉の乱れ」なのか?

      「言葉の乱れ」みたいな言い方はしません。「乱れ」と言ってしまうのはあまりに乱暴だから。 それはちょうど、僕らが中学生の時に、制服の詰め襟のホックをちょっと外していたり、ちょっと幅の広いベルトをしてきたりしただけで「服装の乱れ」なんて言われたのと同じように思うから。 とは言いながら、この年まで専ら日本語を使って生きてきた老日本人としては、やっぱり昨今の皆さんの言葉の遣い方にあまり馴染めないところがあるのも事実です。 例えばこういうことが「言葉の乱れ」などと言われますが…例

      • Living with my wife

        Having spent about half my life with my wife, I realized that she is completely different from me. It is a benefit of marriage or cohabitation to recognize that each person is unique. To put the difference between her and me in a nutshell,

        • 写真はイメージです(和製英語のイメージ)

          英語を学んでいる人にとっては和製英語の知識が鬼門になったりします。 普段日本語の一部として親しんでいるから、ついつい英語でも通じるもんだと思いこんで使ってしまったり、あるいは逆に、これは和製英語だろうから通じないと思っていた表現が意外にも英米で使われていたり…。 まあ、学んでいるうちに知識も次第に蓄積されてはくるんですけどね。 例えば、OL(オフィスレディの略)は誰もが知る和製英語ですが、この表現が使われ始めたころには BG(ビジネスガールの略)という和製英語もありまし

        日本語空耳アワー ~歌詞とメロディのイントネーション

        マガジン

        • 君はいつごろミュージックシーンに登場したか
          24本
        • ことばと生き方──ことばに対するこだわり
          81本
        • Written in English
          19本
        • 小説とかドラマとか映画とか
          64本
        • 自叙伝──僕はこんなことを考えながら育って、生きてきました
          79本
        • 放送とインターネット
          56本

        記事

          フリーレンの登場人物たちの名前の意味

          かく言う私もそのひとりですが、日テレのアニメ『葬送のフリーレン』が終わってしまって、フリーレン・ロスに呆然としている御仁も少なからずおられるのではないかと推察します。 ある人の note で、フリーレンという名はドイツ語の frieren という動詞(英語の freeze に当たる;「凍らせる」の意)から来ているという話を読みました。 そう言われると、他のキャラクター名もドイツ語っぽい響きを持っていますよね。ひょっとしたら全員かもしれません。 幸いにして私の大学時代の第

          フリーレンの登場人物たちの名前の意味

          好きな言葉──我々の異性は女性です

          先日、嫌いな言葉について書きました ↓ ので、今回は好きな言葉について書きます。 僕が、恐らく中学時代だったと思うのですが、思春期に出会っていたく感動した表現──それは「我々の異性は女性です」でした。 おぼろげな記憶で書いているので間違っているかもしれませんが、多分1970年代初頭の資生堂の男性化粧品ブランド「ブラバス」の CMコピーでした。(追記註:ブラバスだと思い込んでいたのですが、調べてみるとどうやら資生堂は資生堂でもブラバスではなく MG5 のコピーだったようで

          好きな言葉──我々の異性は女性です

          オープン・エンディングを糾弾するよりも大切なこと

          オープン・エンディングというものが今や批判の対象になっていると知って大きなショックを受けました。日本がまさかそんな社会になってきているなんて、夢にも思いませんでした。 僕がそれを知ったのは朝日新聞での「映画『怪物』クィアめぐる批判と是枝裕和監督の応答 3時間半の対話」という記事(有料)でした。 是枝裕和監督、ライターの坪井里緒氏、映画文筆家の児玉美月氏によるこの鼎談で議論されているのは、主に「クィア」をめぐる表現や発信のあり方についてであり、それはそれでとても意義の深いも

          オープン・エンディングを糾弾するよりも大切なこと

          ポケモンの名前に見る和英翻訳の妙技

          先日、英語の先生と話しているときに、ポケモンの日本語名と英語名の話題で盛り上がったので、そのことについて書きます。 その先生はユダヤ系アメリカ人で、来日して日本語の翻訳者になるべく勉強をしている人です。 彼は小学校時代ポケモンカードの収集に熱中したのだそうです。僕は年が年だけにポケモンのことは近年までほとんど何も知らなかったのですが、数年前から iPhone で Pokémon GO をやっています。僕がそのことを話したのが発端でした。 そこで、「君の一番のお気に入りの

          ポケモンの名前に見る和英翻訳の妙技

          スージー鈴木・著『<きゅんメロ>の法則』出版記念トークショー”<きゅんメロ>フェス”に行ってきた。 http://trivial.way-nifty.com/trivialities/2024/03/post-342407.html

          スージー鈴木・著『<きゅんメロ>の法則』出版記念トークショー”<きゅんメロ>フェス”に行ってきた。 http://trivial.way-nifty.com/trivialities/2024/03/post-342407.html

          好きじゃない言葉2題──「我が身をつねって…」と「なせばなる」

          僕はソーシャルメディアにはあまりネガティブなことは書かないようにしているのですが、特定の誰かを非難するんじゃなくて、単に自分の生き方や人となりを物語るものだったら良いか、と思って少し書いてみます。 僕には好きじゃない、と言うか、嫌いな言葉が2つあります(タイトルだけはちょっと和らげておきましたw)。いや、僕は嫌いなものが多いですから(笑)、探せば他にもどんどん出てきそうな気もしますが、まあ、今思いつく2つだけにしておきます。 我が身をつねっても仕方がないことがある僕は小さ

          好きじゃない言葉2題──「我が身をつねって…」と「なせばなる」

          「◯球」──球技の名称についての考察

          人気漫画『ハイキュー!!』のタイトルは、言うまでもないですが、バレーボールが昔「排球」と呼ばれていたことを踏まえたものです。 明治以降の日本人は、外国語を訳すときに、それが今まで日本になかった物や概念であった場合、それらしい漢字を当てはめて新しい日本語を作ろうとしました。例えば明治初期に作られた「自由」とか「権利」とか「哲学」などという言葉がその例です。 そして、スポーツの世界でもそれは行われました。多くの球技に「◯球」という訳語があります。 野球さて、今ではバレーボ

          「◯球」──球技の名称についての考察

          荒れるソーシャル・メディアを考える──あなたはそこに行ったことがあるか?

          僕は2009年に twitter を始めましたが、そのころの、言わば日本における黎明期の twitter は、嫌なことをつぶやく人がほとんどいない、とても快適な空間でした。 たまに嫌なこと、攻撃的なことを書く人が現れても、皆でそれをガードしようという雰囲気さえありました。 例えば、あれはアカウントを作って2年目ぐらいだったかな、僕に対して所謂クソリプをぶつけてきた人がいて、僕が「けったくそ悪いツイートを読みたくないので、そのツイートが早くタイムラインの下のほうまで行って視

          荒れるソーシャル・メディアを考える──あなたはそこに行ったことがあるか?

          どうやれば今の若手社員を動かせるか?──H君との長話

          ルーティンに追われ新しいことを始めない若手社員たち僕は大阪の放送局MBSを退職して2年近くなりますが、先日、久しぶりに昔の部下であるH君が会いに来ました。 正確には、上京する彼に合わせて僕が東京支社にのこのこ出かけて行ったわけですが。 H君は昨年から仕事の傍ら大学院に入って勉強しており、そもそもはその修士論文を書くために少し昔の話を聞かせてほしいとのことだったのですが、会って話をしてみるとそんな単純なことではなく、もっと根の深い話でした。 彼はそもそも最近の若手社員た

          どうやれば今の若手社員を動かせるか?──H君との長話

          2023キネマ旬報ベストテン得票分析

          これは自分のブログに毎年書いている記事なんですが、今回(2023年度分)は割合分かりやすい結果が出たので、note にも転載することにしました。 以下がその記事の全文です: 【2月9日 記】毎年恒例のキネマ旬報ベストテンの得票分析をしてみます。 キネマ旬報ベストテンは、審査員がそれぞれ合計55点を持って、1位には 10点、2位には 9点、…、10位には1点と入れて行き、その合計得点で順位が決められています。今回 2023年第97回の審査員は、前回と同じく「本誌編集部」を

          2023キネマ旬報ベストテン得票分析

          2006-2023「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい邦画10本」

          「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい邦画10本」という記事を毎年自分のブログに書いています。そして、そのリストを note にも、毎年最新分を追記して新しい記事として、ここに上げています。 文章まで転載すると長くなるので、note では表題と順位だけにしています。もしもご興味がありましたら、リンクをたどってブログの記事をお読みください。 さて、その選考基準は下記の通りです: 以下がそのリストです。タイトルの後のカッコ内の数字はキネマ旬報ベストテン投票にお

          2006-2023「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい邦画10本」

          相手の好き嫌いで仕事をしないということ

          僕が大阪本社の放送局に入社し、2年後に東京に転勤して外回りの営業マンになったときに、僕に担務を引き継いだ先輩がこんなことを言ったのをよく憶えています。 この人は当時30代で、彼のことを「若手のエース」などと言う人もいました。 かなり個性的な営業スタイルの人で、自分が好きなスポンサーに対してはびっくりするほど強くて、その会社の宣伝担当者とどっぷり仲良し、どろどろの関係になって、難しいセールスも易々と決めてくるような印象がありましたが、たとえ自分の担当スポンサーであっても気乗

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