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財務会計講義抜粋

 初日の財務会計の授業はいわゆる、教科書や問題集をベースに進めるような受験勉強的なものとは全く違う内容であり、「そもそも財務会計とは何ぞや?」について多くの時間が割かれ、終始刺激的で色々と気付かされた講義内容であった。財務会計の目的は?この質問に対する解はない。ということは自分なりの解を持つことが大切だということになる。例えば先生なりの解で言うなら「経営者と投資家との対話」「リスクをいかにコントロールするかのツール」ということになる。そして「経営者と投資家との対話」という解からさらに経営に関する話は広がる。
 
 例えば普通私たちが家を買ったことをどこかの経営者に伝えたとしよう。私 :「社長、ローンで家を買いました!嬉しいです!」
社長:「うーん、家を買ってもお金を産まないのになぁ・・・」
つまりは、お金を増やすためにお金を借りるのが経営者の発想ということになる。
また、リスクを抑えるために財務会計を担う人からすれば社長が借入をするという行為に対し、「社長、リスクが高いからやめましょう」というアドバイスがなされるかも知れない。しかし、これは間違いであり、経営の本来の意味は「リスクを承知で海に乗り出すこと」である。
このことを1600年代の大航海時代になぞらえ、「当時は何のために船を出したのか?」へ話は飛躍する。この解は一言でいうと「儲けるため」である。当時、現在の貿易の原型である「物々交換」を他国と行うことが大きな役割であった。そして大航海を終えた船が戻ってきたら王様や貴族・商人で、その船が積んでいる財産を分け合うということが行われた。これが現在の株主制度というわけだ。
当時の船は大航海を後はボロボロになっていたことから、潰れないものを作ろう・・・と船が会社に変化していったという下りである。
世界初の株式会社である東インド会社が生まれたのもこの頃だった。

企業経営理論でいう戦略とは、「どちらに舵を切るか?」つまりは「楽して勝てる方法は何か?」という観点で検討するのに対し、運営管理でいうオペレーションは「オール漕ぎ」つまりは「苦労して達成することができるもの」である。
例えば船に例えると「嵐が来るぞ!」は危機が迫っていることに対する戦略の理解。そして、「嵐が来る前にマストを下ろせ」というのが具体的指示でありオペレーションである。

決算書はなぜ必要か?この問いには会社が有する4つの目的が関係している。
① 営利性(儲ける事を目的とした出資者の集まり)→B/S
② 継続性(法人は人間と違い死なない)→P/L
③ 目的性(パーパス=目指すべき目的があること)
④ 成長性(目的地に向かって加速すること)

会社とは死なないで儲ける集団であり、船に例えれば「沈まず自由に動き続ける船」ということになる。会社が潰れるときとは?

① 赤字のとき?→✕ 利益の話
② 債務超過のとき?→△(東芝やSHARPは生きている)
③ 債務不履行のとき?→〇 手許資金の話

決算内容が悪くても、手許に現金がある限り会社は潰れないというのが結論である。

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