さとうなな

初めまして、こんにちは。 久しぶりに文字に起こしてすっきりしたい!と思った秋の日です。…

さとうなな

初めまして、こんにちは。 久しぶりに文字に起こしてすっきりしたい!と思った秋の日です。私の書いている物語は、全てフィクションです。改めてよろしくお願いいたします。

最近の記事

平凡な暮らしに潜む影

さゆりの自宅のお隣さんは、窓も網戸もガラガラっ、ピシャん!と閉めている。度々さゆりはこの老婆はどうして扉をそっと閉めることが出来ないのだろうかと思っている。老婆はいつも、紫色のよれたワンピースの裾から破れたシミーズをはみ出している。太めの身体に長靴を履いてドスっドスっと土を踏む音を立てながら、あーーーキツイ、あーーキツいと大きな声を出して庭の生い茂った雑草をむしりとっている。まだ越したばかりの頃に引っ越しのあいさつは済ませたが、それ以上に関わることは出来るだけしたくない。ある

    • ヒカルの味方

      1 泣き疲れた光はベッドに横たわり、布団を手と足で抱きしめてぼんやりしていた。突然ドーン!と大きな地響きが鳴ると、身体が縦に大きく揺れた。ほとんど間を置かずに今度は横に大きく揺れ始める。キッチンでマトリューシュカの様に収納したサイズ違いの土鍋達が、隣の食器と擦れ合う音がする。風呂場では、先程沸かした浴槽に張ったお湯がバシャンピシャ、バシャンピシャと鈍く揺れている。それはそれは不気味な音を立てながら波を打ち、波打つお湯は浴槽に戻ることが出来すに床へ落下する。それからは何度も繰

      • 秋の色といえば黄色

        幼少期に祖母と暮らしていた頃よく行った公民館には、立派なイチョウの木があった。兄や近所の友達とそこの落ち葉に埋もれて遊ぶのがとても好きだった。先週は、久しく父と祖父の眠る墓参りに立ち寄り、帰りにその木を眺めて見るとやっぱり大きい木だなと改めて感じた。 わたしが物書きに目覚めたのは2009年の初め。都内に移住するのに、田舎から出て行くのは中々の勇気が必要だった。気心の知れる身内や地元の友達と離れて暮らすことの寂しさは大きかった。FC2で作ったブログのURLを貼り付けたメールを

        • 整理整頓

          年々歳を重ねると、若い頃は簡単に出来ていたことに難易度を感じる。それを寂しく思う時期もあったけれど、気が付けば周りの人達は歳下だらけ。若い人たちが誠実に仕事に取り組む姿を見て、40歳を目前にしたにわか年寄りの私はパワーを貰っている。毎日が楽しい。 この三連休の初日は洗車に行き、給油して灯油を買いに行った。その中で、給油の最中にタイヤの空気圧も見てもらえたのはラッキーだった。明日地元で行われる20年ぶりの同窓会に参加する予定で、これで準備は万端だ。とても楽しみな一大イベントで

        平凡な暮らしに潜む影