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エンターテック読書記録

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エンターテック(Entertainment×Technology)・エバンジェリストとしての立場から、自分の備忘も兼ねて、役にたった書籍を紹介していきます。  様々な意味で分野や… もっと読む
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2020年12月の記事一覧

技術革新が引き起こす「リープフロッグ」から「IT後進国日本」の巻き返し法を考える〜野口悠紀雄『リープフロッグ 逆転勝ちの経済学』

 社会や制度に後進性があったが故に、先行者をカエル跳びのように追い抜く現象「リープフロッグ」について、歴史を紐解きながら、具体的に分析している好著で、オススメです。  近年では、中国における「固定電話がなかったから携帯電話が広がった」「銀行の支店やATMが不十分で、偽札への懸念も強いから、電子マネーが普及した」などの現象がリープフロッグと言われています。デジタル活用という意味では世界で最も先進的な国になっています。その理由や現状に関する分析も的確です。  アイルランドの経済

「書くことについて」の重要性や有益性は変らないけれど、クラウドサービスが劇的に方法論を進化させてくれるという野口悠紀雄の指摘に強く同意

 著者の実体験を共有してくれている、まさに貴重なノウハウKnow-howの本です。Google Driveという便利なクラウドサービスが無料で提供されたことによって、とりあえず手を付ける、整理する、アイデアの種をメモするなどを簡単にできるようになりました。  僕自身は、メモはスマートフォン、PCを行き来できるevernote(PC用アプリの最新版の動きが鈍くて不満です)を使っていて、Google docmentは主に、スタッフや関係者との共有に使っていますが、本書のやり方も取

ネトウヨにも読ませたい韓日関係の現実『反日韓国という幻想 誤解だらけの日韓関係』 澤田 克己

 K-Popや韓流映画、ドラマなどは大人気で、旅行、食、コスメなどで「韓国好きがたくさんいるのとは裏腹に、政治的に問題は多過ぎて、日韓関係について考えたり、話すのは面倒な状況が続いていますよん。僕自身は「韓流案件」とか変わりないこともあって。あまり興味を持てずにいました。ニュースをチェックしても不愉快になることが多いし、日本の経済力が落ちていく中で、コンプレックスからくるネトウヨの人たちの事実を歪曲した言説も醜悪です。新聞記者としてソウルに支局にいた著者のうんざりという気分に

起業家必読の食のイノベーションを知る本「フードテック革命」は見逃すな。

 僕は音楽カンファレンス+ショーケースイベントから始まったSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)に20年位前から関わり、JAPAN HOUSE〜JAPAN FACTORYの言い出しっぺだったりするので、世界で一番イノベイティブな人達が、近未来型の旬なテーマについて話し合い、交流していくSXSWの魅力は知っているつもりです。SXSWのホットトピックを追ってきたことで、世界の潮流を肌感として感じられるようになりました。  そういう意味では、政府、都市、移動などと並んで、というか