音楽マーケティングブートキャンプが10月31日に成果発表会を行って、修了しました。４ヶ月強の期間で大きな成果がありました。大げさではなく、日本の音楽界のDXの夜明けを感じることができた高揚感があります。

やっと訪れる日本の音楽界のDX

　僕自身にとっても学ぶことが多い場でした。セミナーの企画・オーガナイズをする一番のベネフィットは、実は自分が勉強になることだったりします。重要と思う課題を取り上げ、トピックごとに最適と思われる講師に依頼をする。僕の場合はモデレーター役をやることが多いので、予習して流れをイメージしたりします。そのうえで、講義を聞いて、受講生の反応も受けながら改めて考えることでたくさんの発見があります。
　音楽のデジタルマーケティングについて日本語話者では最高と言える講師陣をお招きすることができたのは誇りです。みなさん日本の音楽界に危機感を持っている「同志」なのでしょう。快く引き受けて、協力していただきました。本当に感謝しています。

　各回のレポートは、StudioENTREのマガジンにまとまっていますので、是非、ご覧になってください！

　最終審査会はエンタメ感を持とうと、コンペティション形式にしました。
12組のマーケターチームが、アーティストと実際に行ったマーケティングの成果を３分間で発表して、評価ポイントは３つ。

データ収集・分析力
プランニング力（新規性、独創性含む）
実行力・成果

審査員は音楽業界で定評のある３人の方にお願いしました。

伊東宏晃（ワタナベエンターテインメント取締役）
鈴木貴歩（エンターテックアクセラレーター）
ジェイ・コウガミ（デジタル音楽ジャーナリスト）

最優秀賞に相当する「シャイニングスター賞」を3人の採点数で決めた他、審査員特別賞も各1組選んでいただきました。

最優秀チームはMARKEZINEにて座談会掲載

　最優秀チーム「シャイニングスター賞」の4人は、今月末にMarkezineでインタビューが掲載予定ですのでお楽しみに。Markezineには、これまで語られてこなかった音楽マーケティングをテーマに寄稿や対談をやらせていただいています。是非、ご覧ください。

　4ヶ月間の講座と実践を見ながら、改めて僕が感じたことを備忘を兼ねて記しておきます。

音楽マーケを知る５つのキーワード

メタデータ：デジタルサービスの売上の根幹です。isrcとYoutubeコンテンツIDの構造を理解することが重要ですね。音楽業界スタッフの理解が浅い場合が多いので、マーケターはここで価値が出ます。メタデータが充実しているほどチャンスは広がります。同時に参加ミュージシャンとかジャンルとか、まだ世界的にも課題が残っていて、日本は周回遅れ的に課題があって、不完全であるという現状認識も必要です。スタートアップが音楽事業を考えるときの基本でもあります。

ユーザー行動データ：最も基本的な情報。個人情報には制限もある時代になりましたが、各DSPのAPI状況を把握しつつ、リンクファイヤー的なサービスも巧みに活用して、仮説検証を続けることが大切ですね。

リコメンドアルゴリズムとの向き合い：デジタルサービスの時代は、マーケターはリコメンドアルゴリズムと取り組むことになります。Tiktokがヒットの発信地になったことで、完全にアルゴリズムの時代になったというのが僕の実感です。事業者は常にUPDATEしますから、日々、変わることを前提として認識した上で仮説を立てる。それぞれ異なっているPF事業者のサービス思想を理解して、そこから推測していくことが必要です。

エディトリアルリコメンド：プレイリストプロモーションやインフルエンサーマーケティングの重要性も変わりません。これは人間の感性や趣味嗜好が基本になります。人の繋がりが基本という意味では、ラジオ局や音楽雑誌などのメディアとの付き合いとにていますが、誰でも発信できるようになって、「特権階級」とブラックボックスは消えています。ピュアに音楽性の話になっている側面もありますね。コネが大事というのは違ってきています。ですから、トライアンドトライアンドトライアンドトライが大切と思います。

コンテンツマーケティング：SNSで音楽を広めるには、動画、静止画などの活用が必要です。SNS/UGMに最適化したエディットが、早く安くできると優位に立てます。アーティストブランドとユーザー嗜好の把握がしっかりできた上で投稿素材を作るスキルが重要になってきました。

　そして、実践の様子でわかったのは、現状はあまりにもデジタルマーケティングができてないので、今ならやればなにがしかの「結果」はでるということです。その価値をアーティスト側に説明＋アピールすることも音楽マーケターにとっては必要なマインドセットですね。
　ということで、好調に始まった音楽マーケティングブートキャンプは12月から第二期を行います！興味のある方はまず、説明会にご参加ください！！

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