見出し画像

AI時代の新・ベーシックインカム論 井上 智洋順  (光文社新書)

 デジダル化を飲み込んで膨張するグローバルな資本主義競争。否応なしに貧富の差を広げていく現状の中で、テクノロジーの発展がベーシックインカムの導入を必然にしているという本。かなり納得した。
 この方法論を早くとれる国家が、次の国際競争で「勝ち組」になるのかもしれないね。日本は人口も多いし「勤勉が美徳」な儒教的価値観が結構、強いから、なかなか難しいだろうけれど、行政の簡素化とセットでBIを導入できれば、「国民が幸せで経済力が強い国」になれて、文化力も含めて、世界を牽引できる存在になれるのかもしれないなと。社会保険の仕組みが実質的に崩壊して、繕っている(ように見せている)だけの今なら、選択可能。少なくとも他の方針よりも圧倒的にベターでしょ。
 単純労働はロボットに代替されるのが近い未来で、日本人の優位性は広義の文化力になっている。多様性の担保がこれからの日本の肝と思っている僕にとって、その下支えとしてのBIというのがとても腑に落ちた。

 おすすめの一節 "AIとBIが普及し労働が必要なくなった社会は、古代ギリシャのような活力に満ちたものとなる可能性がある。  しかしながら、古代ギリシャに相応するものがない一つの要因を考慮に入れると全く異なった帰結が導かれる。それは、ヴァーチャルリアリティ(VR)の発達である。"


この記事が参加している募集

#推薦図書

42,408件

モチベーションあがります(^_-)