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もう少し語りモード…巻の弐

自分探しの旅?

noteを始めてから6か月となり、自分なりの考えや思いを伝えるというか、晒す感じに慣れてきたと思います。幸いにして、私の想像以上にリアクションがあったことに大変感謝しております。

ここで、もう一度自分とはいったいどういう人間なのか?を振り返る上で、一応学生時代に洗礼(苦笑)を受けた農芸化学のインパクトは大きかったです。今回はその続きをお話しとしまして、逆合成を取り上げてみます。

ちなみに農芸化学とは何ぞやという前回の記事はこちらです↓

そもそも山田(仮名)とは何やつ?と思ってしまった方はこちらのプロフィール記事もご覧ください↓

実は重要

逆合成とは、有機合成化学の多段階合成において、目的とする化合物を得るための効率的な合成経路を決定する方法です。簡単にいうと、普通の合成化学の場合、

巷で入手しやすい安い原材料 → いくつかのステップ → 目的物(医薬品、生理活性物質…)

を作業として行うのですが、逆合成は目的物(ゴール)から考え、なるべく効率が良い手順、要するに

目的物(医薬品、生理活性物質…)→ 途中のステップ → 入手しやすい原材料

を考えることをいいます。その際、多段階の有機合成を行う際、分子中の一部分について、化学変換による置き換えが可能である部分をシントンといいます。このあたりはアメリカの化学者 イライアス・ジェイムズ・コーリー(“E.J.” Corey)が提唱した概念ですが、これらの功績で彼は1990年にノーベル化学賞を受賞しました。

実際は

有機合成化学は、逆合成の考え方を用いながら、様々な化学反応や新しい概念に基づく合成計画を研究することが研究目的で、実際にトレースする=計画どおりに化合物を合成するによって実証することが研究になります。

ターゲットの化合物は、いままで合成が困難であった新規化合物(及び類縁体)となりますが、を合成できるようにしたり、経済的 or 環境的にもより効率的な合成計画を編み出すことも必要です。

まさかの…

ここまでは教科書的な話です。私の学生時代はどちらかといえばおバカでサボり魔でしたから、偉そうにノーベル賞を語るレベルではありません。もちろん、研究者での採用ではありませんから,逆合成の知識も使わないだろうと思い、就活して、今の会社に入社させていただきました。

しかし、実際に現在の会社でもそうですが、教科書的な答えだけが必要とされず、現状があって、到達すべき地点(売上額、ノルマ、締切…)が示され、あとは意外と裁量があることが多いですよね。その際に

ゴールから考えて、手順をあらかじめ設定しておく

ことの方がかえって上手くいくケースを数多く経験しました。まさに、前述の逆合成の思考のアナロジーです。

もし、学生時代に逆合成を知らなかったら、そしてアナロジーを使わなかったらなかったら、多分猪突猛進で進めて、上手くいかなかったらほっぽり投げる…を繰り返していたかもしれません。

そして現在…

おかげ様で現在、逆合成のアナロジーをたまに使う社会人生活をしつつ、放送大学で学生を送ることができる幸運に恵まれています。学生時代は理系一辺倒でしたから、文系科目には苦手意識があります。しかし、思わぬところで使える教養が多くあると、選択肢が追加され、人生の楽しみが増えるのかなと思います。記事を書いている本日(土曜日)は怠惰を貪りながら、これまでを振り返るという妄想に浸っています。(了)

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