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【山田組アカデミー賞】高平 九

「山田組アカデミー賞」は、映画を題材にした7号の特別企画。部員各々が紹介したい映画を選び、語ります。
ー第3弾は「ドリーム座の休日」の高平 九ー

私、高平九の大好きな映画2本を紹介します。

『ポケット一杯の幸福』(1961年アメリカ)
原題 Pocketfull of Miracles
監督 フランク・キャプラ
出演 グレン・フォード、ペティ・デイヴィス、ピーター・フォーク他

引用:IMDb.com

 初老のリンゴ売りアニー(ペティ・デイヴィス)はイギリスにいる孫娘に自分はホテル暮らしの裕福なレディだと嘘の手紙を送っていました。あるとき孫娘が婚約者をアニーに引き合わせるためアメリカにやって来ると手紙をよこします。婚約相手の父親はスペインの伯爵。アニーの苦境を知ったギャングのボス、デイブは彼女を一日だけのレディに仕立てようと計画するのですが……。『一日だけの淑女』のセルフ・リメイク作品。アメリカには様々な顔があり、けして単純な国ではありませんが、この映画は善良で単純なアメリカを象徴するヒューマン・コメディの傑作です。ちなみに、私もこの映画の構想を借りて『人情喜劇カリホルニアホテル』という戯曲を書きました。

『水戸黄門』(1960年東映)
監督 松田定次
出演 月形龍之介、中村錦之助、大友柳太朗他

引用:U-NEXT

 西部劇と時代劇が大好きな私ですが、数ある時代劇の中でもこの作品がイチオシです。もちろん水戸黄門、助さん格さんもいいのですが、何と言っても本作では火消しの放駒の四郎吉(中村錦之助)と貧乏浪人の井戸甚左衛門(大友柳太朗)です。気っ風のいい江戸っ子四郎吉と一見鈍くさい田舎者の甚左衛門。年齢も境遇もかけ離れた2人の友情には泣かされます。

 東映の俳優陣が勢揃いするいわゆる「東映オールスター映画」です。私は昭和32(1957)年に生まれましたが、この年の前後数年は観客動員10億人を超える日本映画の全盛期でした。この作品も3億円に近い収益を東映にもたらしました。ちなみに私の誕生年に作れた東映オールスター第1作『水戸黄門』(佐々木康監督)は興業収入3億円超という東映の収益の記録を打ち立てました。佐々木康監督は私の母方の遠縁にあたるそうで、祖父に若い頃世話になったと挨拶に来たことがあるそうです。女学生だった母は監督から「撮影所に遊びにおいで」と誘われたと言っていました。「あのとき撮影所に行っていればねえ」は母の口癖でした。夢は夢のままがいちばん美しいのかもしれませんね。



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