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何から読めばいいか?

最近、読書の順番について考えていることがある。それは、名著と言われる本を先に読むべきか、それとも入門書から読むべきか、ということだ。

ぼく個人の結論から言えば、難解な名著だけを何度読んでも、その内容を理解することはむずかしいと考える。

むしろ、その内容に関して、わかりやすく説明してくれる入門書を、まず読むこと。その方が内容を理解するには近道だと思う。

いきなり原典から読むことは、たとえば、小学生がいきなり世界地図を見るようなものだ。

たしかに、世界地図を見ることで、世界の広さを知ることができる。高い視点を得られる点は、古典的名著を読んで得られるメリットと重なる。

しかし、多くの小学生は、世界地図を見ても、具体的なイメージが湧かないだろう。大人は、さまざまな知識や経験をとおして、外国のことにも思いを馳せることができる。それに対して、人生経験や知識が浅い子どものうちは、有機的な世界観を持つのはむずかしい。

「読書百遍自ずから意義通ず」という言葉がある。確かに何度も同じ本を読み込むことで、内容の理解は深まる。しかし自分の実力に合っていない難解な本を、何度読み込んでも、表層的な理解しかできないかもしれない。

と言うより、何度も読む気すら起きないと思う。まずは、自分の力に合った難易度の本から始めるのが得策だ。

よく、この本さえ読めば、後の本は読まなくていいということが言われる。例えば古典的名著だけ読んでいれば、新刊の解説書の類は、読まなくてもよいと言うようなものだ。

だけど古典を読んでわからなければ、読書が嫌になってしまう可能性がある。もちろん古典それ自体を読むことには非常に価値があると思う。

しかし古典は文字通り古いので、現代日本の我々からすればあまりにコンテストが違っていることが多い。そういう文脈を読むための周辺知識がなければ、しっかりとした理解はできないだろう。コンテクストを得るには、入門書はとても役立つ。

ぼくは以前、再読の大事さについての記事を書いた。(以下のリンクからお読みいただけると嬉しいです。)

その価値観が変わったわけではない。今でも、難しくても古典的名著に何度も挑戦することは、非常に価値があることだと思っている。

しかし、同じ本だけを再読する、ただそれだけではダメだ、ということを言いたい。多読も必要だ。

ある程度の入門書を読んだら、思い切って原典に当たってみる。それでわからないなら、もう少し周辺知識を得るようにする。

「入門書→原典→入門書→原典→…」
このサイクルが、難解な本を読み解くためには必要だと考える。

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