見出し画像

緊張のレシピを教えてください〜秘密のおっぱいのハナシ〜

もう10年以上前なのか。
と、鍋の中で踊るもち麦を見ながら思った。

フランスカフェで働いていたのが10年以上前。
カフェにはテラスがあって、テラスの前は春になると八重桜が満開となり、それが散るまでの間、とても忙しない日々が続いたものだった。

僕はフランスカフェでバリスタをしていて、バーカウンターでコーヒーやお酒などのドリンクの他に、オムレツやサンドイッチなどの軽食もこしらえていた。

八重桜はとてもしつこい。散っても散っても花びらは八重だから、いつまでも美しく散りやがって、客をうっとりとさせる。

そうしたらカフェで一服もしたくなるもので。花見の時期は店に常時客が絶えず、休む暇がなかった。

オムレツがとても人気でよくオーダーされていたから、毎日何百個という卵を割って、大きなボウルでそれを混ぜ仕込んだ。

バーカウンターにはカセットコンロが一つしかなくて、それでオムレツをこさえていたわけだけれど。

このオムレツってやつがとても奥深くって、働き出した当初、全くうまくできなくって、先輩を毎日イラつかせていた。

先輩をイラつかせている事が、悔しくって悔しくて、家に帰っても悔しさが晴れないので、何度も何度も脳内でオムレツの作り方をリピートして、今の自分の悪いところを探し出した。

僕の何がいけないんだ、何がいけないんだと、自分の至らなさを毎日責めながら、毎日毎日オムレツのことばかり考えて過ごし、

やがて気がつくと、まるでおっぱいのようなオムレツを作れるようになっていた。苛立っていた先輩も、僕の作ったオムレツを見てにやりと笑ってくれる程になった。

この経験から、人は成長するために、時には自分を責めることが必要な時もあるのだと思うようになった。

だから、自分を責めている人は、それはそれでいいのだと思うのだ。

カフェでは”マンジェ”と呼ばれるいわゆる賄いの時間があった。

そこで出される賄いの中で、僕はタブレがすごく好きだった。

今日は茹でダコを買ったので、タコともち麦でタブレを作ることにした。

先ず、たっぷりのお湯を鍋で沸かす。

沸くまでの間に、トマトときゅうりを食べやすいダイス型に切る。

画像1

今回の料理の場合、きゅうりの種の部分は水分が多いのでスプーンで削いだ方が美味しくなるというが、僕は今まで削いだことがなかった。

けれどその方がおいしいとよく言われているので、今回は削いでみた。あぁもったいないと思って、削いだそれを口に運んで食べた。

あぁ、その場で食べるなら削いでも問題がないなぁ。

画像2

次にはタコを切る。タコも野菜と同じようにダイス型に切るのだけれど、結構汚れていたりするので、塩で揉んで洗い、吸盤を削ぐ。

吸盤に沿うように包丁を当てると、簡単に吸盤は削げる。吸盤は、塩とごま油を振って、晩酌のアテにする。

鍋の湯が沸いたらもち麦を投入して、15分ほど茹でる。すると、鍋でもち麦が踊る。

15分たったらもち麦を一粒掬って、いい感じだと思ったらザルにあげる。もち麦を流水で洗いぬめりをとり、もち麦と切った材料を全てボウルに入れる。

画像3

塩、白ワインビネガー、オリーブオイルを入れて混ぜ、乾燥バジルとブラックペッパーを振ったら出来上がり。

タコとトマトときゅうりのタブレ。

タブレはクスクスを使ったりするのだけれど、今回はクスクスが手に入らなかったのでもち麦にした。乾燥バジルではなく生のパセリが手に入ればそれを使うと最高だ。タブレは、パセリを食べる為のサラダだったりもする。

フランスの定番の惣菜なのだそうだ。

フランスは行ったことがないけれど、人生一度くらいは行ってみたいものだなぁ。

では、今日の材料は

◯トマト…1個
◯きゅうり…1個
◯タコ…上記の野菜とのバランスを考えて
◯もち麦…上記の材料とのバランスを考えて

◯塩…おいしいと思うくらい
◯白ワインビネガー…ひと回しくらい
◯オリーブオイル…ふた回しくらい
◯乾燥バジル…好きなだけ
◯ブラックペッパー…好きなだけ(ストレスが溜まっている時は多めになってしまうので注意)

画像4

さて、かおよし君の事だけれど。

前回の記事では”嘘吐き”の話をしたけれど、今日は”秘密”の話をしたいんだ。

嘘吐きは本当の事を隠すための技だ。では、秘密はどうだろう?嘘吐きと秘密は似ている。

けれど、嘘吐きは「吐く」という言葉が入っている通り嘘は本当の事を隠蔽する創作を吐くもので、

それに対して秘密というのは吐かずにそのままを表現もせずに自分の中にとどめておくものだ。

秘密というのは他者との関わりを経ずに発生した自らの”恥”なのじゃないかな。

”2人だけの秘密”とかなんとかいうのはただのノロケか、もしくは共依存なので、今回のこれには該当しないものとする。

僕はかおよし君に秘密はあるかをたずねてみた。
そうしたら、

「そりゃあるよ。けれど秘密は言えないから秘密なんだろ?それを君は知っているだろ?だから僕はもちろん口をつぐむさ」

こうきたもんで僕は、しめたと思ったさ。

さて、今日の緊張のレシピの材料はこうだ


◯秘密…消化に悪いので小さじ1で充分なのに山盛りいっぱい(よくおさえること)


僕はかおよし君にこう言った。

「君、秘密を墓場まで持っていこうなんて思っているんだろ?君ね、それが君の緊張の材料のひとつだっていうことを知っておくのと知らないのとじゃあ、雲泥の差があるってものだよ。」

かおよし君はとてもめんどくさそうな顔を僕に向けた。僕は続けてこう言った。

「ちょっと長くなるんだけど、僕にも秘密があるんだ。それを今から話すから、聞いてくれるかい?それはね、おっぱいの話なんだ。」

かおよし君は、生唾をごくりと飲んで、僕の顔を哀れな顔で見てこくりと頷いた。

ここからは僕の、秘密。
おっぱいの話だ。

僕は小さい頃、母さんのおっぱいが大好きだった。そりゃみんな母さんのおっぱいは好きだったろうけど、僕は確か8歳くらいまで、もしかするともっとかもしれない。つまり、小学校に上がっても母さんのおっぱいを触っていたんだ。

この事を書いていて、既にすごく恥ずかしいよ。

恥ずかしい事なのはなんとなくわかっていたのだけれど、とてもふわふわしていて気持ちがよくて、でももう小学校に上がったというのに触るのはダサいから、お母さんが確実に寝ているであろうスズメのようやく鳴き出す早朝に触っていた。

最初は服の上から触っていたんだけれど、飽き足りなくて、服を捲って直で触ってそれを楽しんだ。

早朝ならばバレないだろうと思って触り放題していたんだけれど、僕の欲望は果てしなくて、”母乳の味はどんなだったかしら?”なんてはたと思いついて、ついには母さんの服の中に頭を突っ込んで、乳を吸ったんだよね。

勿論、母乳は出なかった。

もう今思い出して書いていて、顔から火が噴きそうだ!

ああ、なんでこんなこと、書かなきゃいけないんだよう!(自作自演か)

僕は本当に、おっぱいが好きだったんだよね。

でさ、僕はとにかくおっぱいが好きだったわけなんだけれどさ…

かおよし君は、知ってるだろ?

僕、ゲイなんだよ。

すごい話だと思わないかい?
おっぱいが大好きでバレない早朝におっぱいを触り放題していたのに、さて大人になってみたら、男が好きでした、なんてさ!!

大どんでん返し!
背負い投げーってのは、この事だよな。

人生って、本当に滑稽だよね。

でもさ、今でも母さんに、流石におっぱいは望まないけど触りたいっていう願望は尽きてないんだ。

僕の母さんも70代後半でさ、あと、どのくらい母さんに触れるだろうって思ったりする。

年に数回しか会わないから、それは尚更で。

だから、触る口実として、僕はマッサージやスキンシップの取れる健康法をずっと学んでいるんだよ。時にはすごいお金をかけたりもしている。

だって、死んだらもう触れないんだ。
触れる今って、なんて幸せなんだろうって、思うんだ。

あ、いつのまにかいい話になった!

おっぱい好きの変態リークから、思わぬハートウォーミングストーリーになったね。

秘密はきっと、君のまだ見ぬ魅力を秘めている。

君の魅力がもっと見出せたらたのしいね!

これを読んで、秘密を吐露したくなって
その気になったらコメント欄にコメントくれると嬉しいな!

今日は月曜に更新と言っておきながら、
真夜中の更新になってしまった!
色々あったんだ、ごめんなさい!

次の更新は、10月4日(火)です!

それではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?